2013 Fiscal Year Research-status Report
社会的困難を有する若年者のリテラシー実態とその支援に関する実証的研究
Project/Area Number |
25381157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Buraku Liberation and Human Rights Research Institute |
Principal Investigator |
岩槻 知也 一般社団法人部落解放・人権研究所(調査・研究部), その他部局等, 研究員 (60263191)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
棚田 洋平 一般社団法人部落解放・人権研究所(調査・研究部), その他部局等, 研究員 (00639966)
松下 一世 佐賀大学, 文化教育学部, 教授 (80457457)
添田 祥史 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (80531087)
上杉 孝實 公益財団法人世界人権問題研究センター, その他部局等, 研究員 (90031707)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 青少年問題 / リテラシー / 支援 / 若者文化 |
Research Abstract |
2013年度は、まず、①科学研究費補助事業以前に実施していた調査研究成果を研究誌や学会発表にて中間報告を行った。そこでは、更生保護施設、自主夜間中学、識字学級等における、「困難を有する若年者」の実態とその支援について、リテラシー(支援)という観点からどのように読み解けるのか、ということを議論し、「困難を有する若年者」支援のあり方についていくつかの提案を行った。具体的には、「困難を有する若年者」への生活支援(生活習慣の確立や人間関係の回復など)がリテラシー支援の前提、あるいは基盤となっていること、各地域における関係諸機関とのネットワークの中で支援が行われていること等を、各組織・団体の活動・実践の共通点として見出した。 あわせて、②「困難を有する若年者」を対象に学習支援等を実施している団体・組織(高知朝倉夜間中学校/高知市、NPOスチューデント・サポート・フェイス/佐賀市、えんぴつの会/東京墨田区)への訪問聞き取り調査をあらたに実施した。それぞれにおいて、活動の見学、支援者ならびに学習者への聞き取りを実施し、各団体・組織の概要と経緯、現状と課題、そして対象となる学習者の実態等とその支援のあり方について把握することに努めた。科学研究費事業以前に実施していた、更生保護施設、自主夜間中学、識字学級等における活動・実践との比較・検討も行い、事例調査は順調に進めることができた。 その間、①と②、さらには2014年度以降の本調査研究の方向性を検討するために、③研究会を計4回実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要でも記しているとおり、2013年度は、科学研究費補助事業以前の調査研究のまとめを行いつつ、新たな事例調査研究も実施し、2014・2015年度に実施する調査研究の準備を整えることが十分にできた。
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Strategy for Future Research Activity |
2014年度は、PIAAC(国際成人力調査)の再分析(量的調査)と、引き続き「困難を有する若年者」を対象とした支援団体・組織の訪問調査(質的調査)を実施する予定である。後者については、これまでに実施してきた支援者・学習者に対する聞き取り調査にくわえて、各団体・組織における一定期間の参与観察を行うことを考えている。そのことによって、「困難を有する若年者」のリテラシーの実態について、より正確に把握することに努める。また、地域若者サポートステーションの取組等についても、新たな調査対象として検討していく。 2015年度には、それらの調査結果をまとめ、学会報告や報告書等にて最終結果を報告する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者の聞き取り訪問調査への参加が予定より少なかったために、旅費相当分が繰越しとなった。 2014年度は、2013年度以上に研究会・訪問調査の実施の頻度が増すので、その旅費に充てる。
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