2014 Fiscal Year Research-status Report
技術科教育での加工学習を支援する加工音を活用した指導方法の確立
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25381191
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
永冨 一之 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00228040)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 技術科教育 / 加工音 / のこぎりびき |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は,前年度の結果を踏まえ,中学校技術・家庭科技術分野におけるのこぎりびき学習において加工音を活用した指導方法の確立を目指し以下の2項目について実施した。その結果,以下の研究成果が得られた。 1)のこぎりびきにおける加工音を活用した指導方法の有効性について のこぎりびき技能習得に及ぼす加工音の効果として、直進度や直角度の精度の向上は認められないが、切断面粗さに関しては、切断面の粗さが悪い被験者に対して効果が望める。この効果は、理想的な音の強弱やリズムを意識させることで、引くときに加える力が弱まり適切に変化することに起因していると考えられる。 2)のこぎりびきにおける加工音のオノマトペ表現 のこぎりびき学習の指導場面において加工音をオノマトペ表現することによって,加工音を活用した指導方法を補完する教材として活用する目的から,のこぎりびき加工音のオノマトペ表現を試みた。その結果,理想的な加工状態」のオノマトペ表現「しゃーすーしゃーすー」,「力が強すぎ引き返しが速く荒く切断されている状態」のオノマトペ表現「がっごっがっごっ」,「力が弱すぎ刃渡りの使い方が小さく切断効率の悪い状態」のオノマトペ表現「しゃこしゃこ」が得られた。ただし,オノマトペから受けるイメージは,誰もが同じイメージとはならず,個人差が認められることから,授業での利用に際しては,このことを踏まえ,実際の音との併用が必要と考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は,中学校技術・家庭科技術分野におけるのこぎりびき学習において加工音を活用した指導方法の確立を目指し,当初の研究計画に追加(下記2))して,以下の2項目について実施し,一定の知見を得た。ただし,当初の交付申請書での研究予定では「くぎうち」も取り上げる予定であったが,この作業については着手できていない。 1)のこぎりびきにおける加工音を活用した指導方法の有効性 2)のこぎりびきにおける加工音のオノマトペ表現
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度は,のこぎりびき学習において加工音を活用した指導方法の確立を目指し,当初研究計画では予定していなかったのこぎりびきにおける加工音のオノマトペ表現について研究を進めたことから,平成27年度は,当初の研究計画から変更して,下記の2項目を遂行する。 1)くぎうち学習時の作業状態の映像収集およびその分析 中学校での授業観察を通して,生徒が行う典型的な姿勢,持ち方,動作等の状態を分析し,失敗が少なく,適切なくぎうち作業時の音の特徴を抽出する。なお,得られた映像は,デジタル教材用の資料としてまとめる。 2)研究成果のまとめ のこぎりびき学習において加工音を活用した指導方法を論文として,さらにデジタル教材としてパワーポイントを用いて制作する。特に,教材としての主な機能は,加工音の時間波形の表示と共に,理想的な加工音や理想から外れる加工音(固定不足,力の入れ具合など)が,その時の加工動作の映像と同期して再生される構成とする。
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