高校福祉科教員の実践的な力量形成に資するカリキュラム開発

2014 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 25381268
• Research Institution: Kyoto Prefectural University
• Principal Investigator: 長谷川 豊 京都府立大学, 公共政策学部, 准教授 (90254317)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 瀧本 知加 東海大学, 熊本教養教育センター, 講師 (10585011)
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2016-03-31
• Keywords: 高校福祉科 / 福祉科教員 / 福祉系高校 / 高校福祉教育 / 介護職 / 実践的な力量形成

Outline of Annual Research Achievements

研究代表者の長谷川と研究分担者の瀧本は、共同または分担して、本研究目的の遂行に努めた。日常的に連絡を取りつつ、学会等での意見交換等を行ってきた。介護系人材の不足が指摘される中、継続して大阪府、京都府、愛知県等の福祉系高校教員との意見交換等を通じて、福祉科目担当教員の立場や視点から、高校福祉（科）教育をめぐる課題として、実習等を含む多科目・広領域の福祉科担当教員の授業負担の多さとともに、大学で養成される高校福祉科教員数、府県の福祉系高校数や福祉科担当教員採用数の伸び悩み・減少による福祉科担当教員の人的配置をめぐる固定化等の課題が、他教科担当教員と比しての違いが実感されてきている。このことが知識・技術を含む、担当教員の各期において求められる実践的な力量形成にとっても重大な課題となりつつあると考える。
長谷川は日本福祉教育・ボランティア学習学会や教育目標・評価学会を含む所属学会や研究会、シンポジウム等への参加、企画、報告、関係者との意見交換等を通じて、高校福祉科担当教員の新任期・中堅期の力量形成上の課題やその研修支援体制のあり方、教師教育の高度化の課題、高校制度改革と教員の評価のあり方等について理解を深めた。京都北部の私立高校の校長等への聞き取りを通じて福祉（科）教育を含む高校教育の現状と課題を把握し、私立高校に係るシンポジウムでは福祉系高校を含む高校改革・再編の動向と課題について基調報告を行った。
また、瀧本は所属する職業教育関連の学会・研究会等での活動とともに、研究代表者とともに私立高校に係る共同研究を通じて、また各府県の現職の高校福祉科担当教員の継続的な聞き取り等を行いながら、高校職業教育の一環としての福祉（科）教育の課題を探った。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究代表者と研究分担者は、本研究の目的を遂行すべく、今年度もそれぞれの専門分野を生かしつつ、所属学会の研究大会や研究会等を活用しながら研究を進めることができた。
研究代表者と研究分担者は、福祉教育・ボランティア学習、教育目標・評価や職業教育等の関連する学会・研究会、また共同研究の私立高校に関する研究会やシンポジウム、また高校福祉科担当教員や学校長、大学関係者等との聞き取り・懇談を通じて、高校福祉（科）教育や教師教育の高度化のあり方や課題、また教員の研修・支援体制や評価のあり方等について、理解を深めるとともに、今後の研究活動の発展につながるネットワークをもいっそう広げることができた。
加えて、文献・資料の収集・検討等を通じて、進行中の教師教育改革や、全国並びに各府県の福祉系を含む高等学校改革・再編の動向、また関連の深い社会福祉士・介護福祉士養成課程の改革、介護系人材養成・採用の状況等についても理解を深めることができた。

Strategy for Future Research Activity

研究代表者と研究分担者は、次年度も今年度と同様、それぞれの専門分野等を生かしながら、共同並びに各自で研究目的の遂行に努める。
平成２５年度及び２６年度の学会等での活動や高校福祉（科）教育担当教員等からの聞き取り等の成果を踏まえて、次年度は福祉系高校等の改革動向と課題、高校福祉科教員の養成・育成・支援の現状と課題について、大阪府、愛知県、京都府並びに他府県の教育委員会・高校、大学等への調査を踏まえて、明らかにしていく。
あわせて、本研究の整理、検討の中で、所属学会や研究会等での報告、論文投稿等を行っていく。