2014 Fiscal Year Research-status Report
視覚に障害のある人が絵画等の画像情報を取得し鑑賞する際の効果的手法の研究
Project/Area Number |
25381296
|
Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
安田 輝男 筑波技術大学, 名誉教授 (10320623)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯塚 潤一 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (90436288)
岡本 明 筑波技術大学, 名誉教授 (10341752)
森 まゆ 筑波大学, 人間総合科学研究科(系), 助教 (20634893) [Withdrawn]
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 視覚障害 / 触覚 / 触図 / 触覚伝達デザイン / ユニバーサルデザイン / ユニバーサルアート / 触って観る / 美術 |
Outline of Annual Research Achievements |
「平成26年度の研究実施計画」の[1]立体コピーの原画にあたるポスターの制作に関しては、5点を制作。[2]立体コピーの作成及び「触って観る」アートパネルの制作では、19点を制作。[3]視覚情報取得の為の支援情報の作成としては、視覚情報の言語(文字)情報化及びその点字翻訳化を25件行った。[4]視覚に障害のある人が絵画等の画像情報を取得する際の調査の1)視覚情報の言語情報化とその音声情報化についての調査に関しては、二科茨城支部展及び茨城県立盲学校でアンケートを行った。2)色彩情報提供の為のカラー版立体コピーについての調査に関しては、本学・筑波技術大学視覚障害系学生(色が識別できる軽度の視覚障害)を調査対象として「カラー版立体解剖触図」を作成し、色覚異常特有の色感に対応した調査を行った。また、二科茨城支部展及び茨城県立盲学校で 「カラー触図」に関してのアンケート調査を行った。当該年度の「触って観る」アートの展示としては、二科茨城支部展、茨城県立盲学校、つくばエキスポセンター春の特別展、東京都文京区「ふれあいの集い」心身障害児作品展等で行った。学会発表としては、第23回視覚障害リハビリテーション研究発表大会(2件発表)、第15回日本ロービジョン学会学術総会(2件発表)、芸術工学会秋季大会in長岡(1件発表)で発表した。論文掲載としては、視覚障害リハビリテーション研究,No.4,Vol.2(1件掲載)で掲載された。研究会・研究機関等への取材・調査としては、「さわって観る冨嶽三十六景展」(主催:常磐大学)、「世界のバリアフリー絵本展2013」(国際子ども図書館)を見学した。受賞としては、第52回二科茨城支部展デザインの部に1点が入選し、第99回二科展デザイン部で2点が準入選した。以上、本研究の目的及び当該年度研究実施計画に沿って概要を記した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
立体コピーの原画にあたるポスター、イラストの制作を本学在学生・卒業生を指導して5点制作。立体コピーの作成(19点)及び「触って観る」アートパネルの制作(19枚)。視覚情報取得の為の支援情報としての視覚情報の言語情報化(文字化)(19件)、言語情報(文字)の点字翻訳(19件)。視覚に障害のある人が絵画等の画像情報を取得する際のアンケート調査・ヒアリング等を、第52回二科茨城支部展「触って観る」アート特別コーナー及び茨城県立盲学校での展示会で行った。また、当研究の成果を、色が識別できる軽度の視覚障害者向けのカラー版立体触図作成に活用し、評価を行った。さらに、上述の「研究実績の概要」にも記述しているように、「学会発表」、「論文掲載」、「研究会・研究機関等への参加・取材」、「ワークショップ」、「二科展デザイン部等での受賞」等、積極的に活動した。 これらのことを総合的に評価して、「おおむね順調に進展している」と判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
27年度は、26年度に引き続き、「触って観る」カラー版立体アート及びパネルの作成、「触って観る」カラー版立体アートの展示(二科展、盲学校等)、視覚情報取得の為の支援情報の作成(視覚情報を言語化し、点字情報・音声情報を作成)を継続する。また、立体触図についての調査・ヒアリングを行い、「触って観る」立体コピーのわかりやすさ・鑑賞しやすさをさらに解明する。色覚異常特有の色感に対応した配色についてもさらに研究を進める。「触って観る」アートの領域を広げる為、日本画、イラスト・マンガ等の立体コピーを作成する。そして、25年度からの当研究の成果を芸術工学会、視覚障害リハビリテーション研究発表会、日本ロービジョン学会学術総会をはじめとして、様々な学会等で積極的に発表する。さらに、当研究の成果を広く周知するための展示会を開催し、当研究の成果を記録する小冊子を発行する。
|
Causes of Carryover |
予定していた調査・ヒアリングを27年度へ延期したため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
調査・ヒアリングのための立体コピー制作および旅費等に充てる予定である。
|
Research Products
(6 results)