2015 Fiscal Year Annual Research Report
超音速噴流を用いたVHFプラズマによる高速大面積微結晶シリコン製膜法の開発
Project/Area Number |
25390108
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
牟田 浩司 近畿大学, 工学部, 教授 (10219850)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | VHFプラズマ / 超音速噴流 / クラスタ- / 高速製膜 / マルチホローカソード / シランプラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は微結晶シリコン製膜プロセスの高速化・高品質化・大面積一様化を目指して、特にガス流れに注目し、プラズマや膜特性との関係を詳細に調べ、製膜プロセスの高度化を図ることを目的としている。 昨年度までに、マルチホローカソード電極を導入し、クラスター除去に多大な効果があることを確かめた。そこで本年度は、ラバールノズルタイプのシャワーヘッドノズルによる超音速流を用いて製膜を行い、その効果を調べた。先行研究で、超音速流を用いると従来のおよそ1000倍の成膜速度が得られることがわかっている。しかし、同時に膜質が劣化し、例えば欠陥密度1018cm-3台となる。主な原因として、超音速流発生条件においては不足膨張噴流となるため、超音速領域付近に急激に温度が下がる領域が発生し、クラスターが多量に発生し、さらに気相中で成長したクラスターが膜に混入することで膜質を低下させたと考えられる。これはマルチホローカソードによるフィルタリングだけでは抑えられないレベルであることを意味しており、クラスター除去の追加策として、ガス流れによるクラスター除去を試みた。すなわち、超音速噴流が基板と衝突した後の巻き込みが起こっている領域で特にクラスターが溜りやすい場所をシミュレーションで予測し、その近傍を重点的に排気したところ、膜質の大幅な向上が見られた。以上のシステムにより、欠陥密度を一桁以上減少させ、製膜速度1μm/sを達成した。 さらなる製膜速度の向上を狙い、マルチホローカソードに直流負バイアスを印加し、正イオン化したシリル(SiH3)の引き出しを試みた。その結果ホロー内の電子密度、イオン密度が大幅に増加し、結果製膜速度も印加電圧にほぼ比例して上昇した。しかし、バイアスをかけすぎると膜質が低下した。イオン衝撃効果によるものと考えられ、膜質を維持するために最適なバイアス電圧値を選ぶことが重要であることがわかった。
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Research Products
(2 results)