2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25400032
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
金光 滋 近畿大学, 工学部, 教授 (60117091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 春雄 近畿大学, 工学部, 教授 (00257990)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゼータ関数 / 関数等式 / モジュラー関係式 / フォックスH-関数 / マイヤーG-関数 / ベータ変換 / 超幾何関数変換 / イーワルド展開 |
Research Abstract |
ノルムの定義されるところではほとんどすべてそのシステムに付随する級数─ゼータ関数を研究することにより多大の成果がもたらされることはリーマン以来これまでの150年間で明らかになった.これに関しては,1977年から研究を始め,ゼータ関数論大全3部作に結実する予定である.本研究の目的は,ゼータ関数の満たす関数等式に同値なモジュラー関係式をフォックスH-関数を含む級数の形で求め,さらに進んでオイラー積をもつ場合に一般的な結果を得ることである. 科研費補助金のおかげで,過去10年間にわたって精力的にモジュラー関係式を研究した結果,第一巻モジュラー関係式シュープリマシーが完成まじかとなった.2014年にインド,中国で精力的にこれまで準備した原稿を突き合わせ,整合性をもつように編集した.2014年5月初めには完全原稿完成予定である.執筆中,次々に新しい問題が浮かび上がり,その度に新しい研究の局面が開けた.特に第3章 非加工モジュラー関係式,第4章ベータ変換,第5章イーワルド展開等の内容はほとんど論文としても出版予定である.第6章の数論的フーリエ級数の節では,項別微分可能であるために,問題の級数の係数の指数関数付の部分和の評価が素数定理と同じ程度の強さであることが必要であることが判明した.これにより,関数等式は概ね,絶対収束する範囲での性質であることが従う.次の段階では,関数等式によるゼータ関数の特徴づけ,近似関数等式など多くの問題が湧出する. オイラー積をもつゼータ関数を考察することによって,さらに明示公式,リーマンジーゲル公式など,禁じられた臨界領域での挙動,リーマン予想など新たな局面が生ずる.今後これらを研究する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゼータ関数大全第一巻は2013年度末に完成予定であったが,10月末の第7回日中セミナーの主催,多くの外国人研究者の来日に伴い,執筆は2014年度にづれこんだ.インド,中国で第一巻の完成に没頭し,完成まじかとなったが,執筆中に現出した多くの問題の解決,論文化に伴い,モジュラー関係式の次の段階の研究はいまだ途上である.しかし,湧出する問題の解決も同時におこなっているため,研究は順調に進展している.オイラー積を持つ場合は,数論的フーリエ級数との関係からより深化が期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度は,オイラー積をもつゼータ関数の研究開始に当たり,多くの外国人研究者に来日して頂いた.2014年,2015年は,より密接に関連した共同研究者を招へいあるいは訪問して,より具体的な成果を出す方向で進行する予定である.2013年と同様,共同研究者とのセミナー,ディスカッションが非常に有用である.
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Research Products
(5 results)