2015 Fiscal Year Research-status Report
実数の特異集合に関するScheepers予想へのPixley-Roy超空間の応用
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25400213
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
酒井 政美 神奈川大学, 理学部, 教授 (60215598)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Scheepers予想 / Pixley-Roy topology |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究目的は、実数の特異部分集合に関するScheepers予想の解決を目指して、前年度と前々年度の研究成果の整理取りまとめと、Pixley-Roy超空間の被覆公理をさらに深く調べることであった。Pixley-Roy超空間の被覆公理に関しては、Pixley-Roy超空間のコンパクト化を考えることで、Pixley-Roy超空間の被覆公理について深く知ることができるのではないかといいう着想の下、Pixley-Roy超空間がどのようなときに可算tightnessのコンパクト化をもつのかという研究課題に取り組み、次のような成果を得た。定理:無限濃度の位相空間 X に対して、次の命題 (a), (b), (c), (d) は同値である:(a) Pixley-Roy超空間 PR(X)は可算tightnessのコンパクト化をもつ;(b) X は第一可算公理を満たし、 X の任意の空でない有限集合 F に対して、F を含む開集合 U(F) が存在して、非可算個の空でない X の有限集合を取ると、その中にある2つの有限集合 F と G が存在して、F-U(G) または G-U(F) のどちらかが空でない; (c) PR(X) は 0-次元のコーソンコンパクト化をもつ;(d) PR(X) は strongly metaLindelofという被覆公理を満たす Moore空間である。この研究成果は Scheepers予想に関連するPixley-Roy超空間の被覆公理を調べるうえで一つの有効な手がかりになると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要で述べたように、Pixley-Roy超空間のコンパクト化を研究することを通して、Pixley-Roy超空間の被覆公理を調べられることが成果として得られ、この新しい方向での研究もScheepers予想解決の進展につながると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度が研究計画の最終年度であるため、過去3年間の研究成果を改めて見直し、研究計画と照らし合わせて、研究の進展した部分と遅れている部分を整理して最終的な取りまとめを行いたい。具体的には、前年度得られたPixley-Roy超空間のコンパクト化の研究を継続しつつ、集合論の連携研究者とも研究打ち合わせを適宜行い、肯定的解決と、反例の構成という両面から研究を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
イタリアの Messina 大学で開催された国際会議での講演旅費として使用予定であったが、この国際会議において招待講演者として招へいされたため、旅費の支出額が減じたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年次は研究計画の最終年度であるため、取りまとめた研究成果をいずれかの国際会議で発表するための旅費として使用予定である。
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