2015 Fiscal Year Research-status Report
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25400277
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
真貝 寿明 大阪工業大学, 情報科学部, 教授 (30267405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 隆 大阪工業大学, 工学部, 准教授 (00360199)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 一般相対性理論 / ブラックホール / 高次元時空 / 修正重力理論 / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,修正理論として, (1)高次元一般相対性理論, (2)Gauss-Bonnet重力理論, (3)ディラトン場を含むGauss-Bonnet重力理論, の3つを考え,シミュレーション研究による時空特異点形成条件を明らかにすることを進めている.
2015年度(H27年度)は,前年度までに開発した数値コードをさらに改良し,上記(1)と(2)の修正理論において,平面対称な時空と球対称な時空の双方で時間発展ができるようにした.球対称時空では,強い重力の場合にはブラックホール(BH)境界面が出現することが期待されるので,現実的な理論の比較ができるようになる. 球対称ワームホール構造は不安定であり,追加する微小なエネルギーの正負によって,構造がBHに転じたり,中心部分がインフレーション拡大する現象が我々の研究によって明らかになっている.一般相対性理論を単純に高次元化すれば不安定性は増大することを線形解析で明らかにしていたが,数値計算においてもその結果を確認し,さらに,同じ初期条件として正のエネルギーを加えた時にはBHが形成しにくいことを確認した. Gauss-Bonnet重力理論では,曲率2次の補正項を加える際のカップリング係数(α)の正負が,大きくダイナミクスを変える.正のαでは,同じ初期条件でも特異点形成は遅くなり,BH形成のための閾値が大きくなってBHは形成しにくくなる.つまり,正のαはエネルギー底上げ・特異点回避の傾向を与えた.負のαはその逆である.また,高次元になるほど不安定性は拡大することや,Gauss-Bonnet重力理論ではtrapped surfaceの存在は必ずしも最終的なBH形成を意味しない結果も得ている.面積定理が成立しない解系列があることに対応しているかと考えられるが,詳細は解析中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進んでいる.論文は投稿準備中である.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画通り,修正理論の (3)ディラトン場を含むGauss-Bonnet重力理論におけるダイナミクスの解析に着手する.
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Causes of Carryover |
本学での役職業務のため,学会発表の機会を見送ったものがある.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計算機の新規調達,ソフトウェアの拡充を含め,計画通りに学会発表等を進めていく.研究の内容には,重力波観測を用いた修正重力理論の判別可能性も新規に加え,関連する研究にも着手した.このテーマの研究発表についても本基金を用いることを計画している.
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Research Products
(5 results)