2016 Fiscal Year Annual Research Report
Studies of topological phases based on lattice gauge theories
Project/Area Number |
25400388
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
福井 隆裕 茨城大学, 理学部, 教授 (10322009)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | トポロジカル絶縁体 / 第1チャーン数 / Streda公式 / 第2チャーン数 / トポロジカルポンプ / スピンポンプ / 量子異常 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、対称性に護られたトポロジカル量子相が研究対象であり、様々なトポロジカル相を特徴付けるトポロジカル不変量の計算方法の開発、及び、トポロジカル場の理論の構築という2つの側面から研究を行うことを目的としている。 28年度には主に2つの異なる系を対象に研究を行った。 第1の研究対象は、1次元トポロジカルポンプである。30年以上も前にサウレスにより提案されたトポロジカルポンプが、ごく最近になって冷却原子系で実験的に検証された。このトポロジカルポンプに関して、より一般的な模型に基づいて解析を行い、バルク状態を特徴付ける第1チャーン数と境界のある系のエッジ状態の関連性に関して解析を行った。境界のある系での重心の移動が、ポンプ系におけるバルク・エッジ対応となることを示した。 また、同じ1次元トポロジカルポンプに関して、1本鎖を2本鎖にすることによって近年注目を集めているスピンポンプ系の模型を考案し解析を行った。スピンポンプでは時間反転対称性が重要な役割を果たすことが知られている。ところが、必ずしも時間反転対称性を満たしていなくてもスピンポンプが起こること、そして、それを特徴付けるのはエンタングルメント・チャーン数であることを示した。 第2の研究対象は、高次元のトポロジカル系に関するものである。近年、ワイル半金属等の発見によりカイラル量子異常を固体物理で検証しようとの気運が高まっている。3+1次元の量子異常には第2チャーン数が深く関係している。我々はWilson-Dirac模型を用いて、格子模型で第2チャーン数を正確に計算する手法を開発した。これは2次元でよく知られたStreda公式を4次元に拡張したものに対応している。
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Research Products
(6 results)