2014 Fiscal Year Research-status Report
地上降雪粒子観測を用いた雲解像モデルの降雪過程の改良に関する研究
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25400471
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Research Institution | National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention |
Principal Investigator |
本吉 弘岐 独立行政法人防災科学技術研究所, 観測・予測研究領域 雪氷防災研究センター, 主任研究員 (70571462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 輝之 気象庁気象研究所, 予報研究部, 室長 (70354438)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 雲解像モデル / 地上降雪粒子観測 / 雲物理スキーム / 感度実験 / 光学式ディスドロメータ / 質量パラメタリゼーション |
Outline of Annual Research Achievements |
雲解像モデルと地上降雪粒子観測について、典型的な霰イベントと雪片イベントで比較するため、2013年1月4日と10日の2つの降雪ケースについて、5km、2km、1km、500m、250mの複数の水平解像度の雲解像モデルを実行し、モデルが予測した降水種を新潟県長岡市で行った降雪粒子観測から判別された5分毎の卓越降水種別データと比較した。1kmのモデルになると平野部での降雪量の過少予報は改善され、その要因が海岸付近のあられの生成量であることがわかった。このことは、雪の 落下速度をあられの落下速度に置き換える感度実験の結果から確かめることができた。ただ、250mモデルを用いても、観測されたあられの量と比べると予想量は過少であった。 2014年12月から2015年3月にかけて地上降雪粒子観測を行い、雲解像モデルとの比較を行うための単位時間あたりの卓越降水粒子の分類を行うとともに、単位時間あたりの降水種別の降水フラックスを推定するため降水粒子の質量パラメタリゼーションを改良するため、雪氷防災研究センターで行った降水粒子の質量測定の解析を行った。このパラメタリゼーションを利用して降水種毎の降水フラックスへの寄与を求めることで、雲解像モデルバルクスキームにより降水カテゴリ(雨、雪、霰)毎の降水量との直接的な比較が可能になる。また、2008年から2014年までの長岡における降雪粒子の5分毎の粒径分布のデータベースを作成した。これにより、雲解像モデルにより予報されている粒径分布との比較も可能になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展している。 ほぼ計画通り、雲解像モデルの水平解像度を変えた実験を行い、降雪の過少予報の問題点を 明らかにすることができた。 また、雲解像モデルとの比較のための、降水粒子観測のデータベースの構築も進められている。
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Strategy for Future Research Activity |
雲解像モデルに関して、あられの生成量の過少に予測される点がわかったので、その問題点を改善するように雲物理過程の改良を行う。 また、降水カテゴリ毎の降水フラックスや粒径分布の傾向を長期データを元に気象条件とともに統計的にを比較することで、雲解像モデルのバルクスキームの降水予測の傾向を地上観測の観点から見ることが可能であると考えられる。降雪粒子観測から湿雪の含水状態の推定が可能になってきたため、霙など融解を伴う場合の雲解像モデルの挙動についての比較も行う。
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Causes of Carryover |
予定していた磁気媒体などの消耗品購入を次年度前期に行うことにしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
H27年度の前半に磁気媒体等の消耗品を調達し、データ解析に利用する。
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Research Products
(5 results)