2014 Fiscal Year Research-status Report
酸化グラフェンを用いた光化学反応の自在な制御と高感度遺伝子解析への応用
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25410146
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
北村 裕介 熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (80433019)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | DNA / グラフェン / バイオセンサー / 遺伝子解析 / 光化学反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
高い確率(人口の1 %以上)で見られる遺伝子内での一塩基の個体差を一塩基多型(SNPs: Single Nucleotide Polymorphisms)という。SNPsは個人の体質、疾病易罹患性、薬剤感受性等を識別する重要な遺伝子マーカーとして考えられている。現在、溶液ハイプリダイゼーション法をベースにした様々なSNPsのスクリーニング戦略が試みられているが、代表的な手法では、酵素反応(増幅、伸張、連結、切断)を利用しているため操作が煩雑である。また、マイクロアレイ、プレートリーダー、質量分析装置、PCR、シーケンサー等の分析装置は高価な上、熟練技術者による取り扱いおよび解析を必要としている。今後、“必要な患者に、必要な量の、必要な薬剤を”といった理念に基づく「個々人の身体的特徴に合わせた副作用のない医療」(テーラーメード医療)を展開するためには、SNPs塩基を簡便に判断し(SNPsタイピング)、個々人の遺伝子を次々に診断していく必要がある。よって、より安価で簡便なSNPsタイピング法の開発並びにそのハイスループット化は革新的課題である。そこで本研究では、膨大な遺伝情報を簡便かつ迅速に解析するために、「高感度、ハイスループットでかつ酵素フリーなSNPs解析システムの構築」を目的とする。酸化グラフェン(GO)のDNA吸着能、並びに高い消光能を積極的に活用し、システムの構築を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
酸化グラフェン上で特異的に起こる鎖交換反応を利用して新しい DNA検出システムとDNAサーキットを組み合わせたシグナル増幅型遺伝子検出システムの構築に成功した。また、エキソヌクレアーゼと組み合わせたシグナル増幅型遺伝子検出システムの構築にも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
酸化グラフェンやその他のナノシートとの複合体の構築を模索する。
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Causes of Carryover |
研究進行に合わせて支出のタイミングが若干変更されたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
購入予定だった消耗品などを購入する
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Research Products
(13 results)