2015 Fiscal Year Annual Research Report
酸化グラフェンを用いた光化学反応の自在な制御と高感度遺伝子解析への応用
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25410146
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
北村 裕介 熊本大学, 自然科学研究科, 助教 (80433019)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | DNA / グラフェン / バイオセンサー / 遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸化グラフェン(GO)は水中で均一に分散し、広範囲な波長領域に対応可能な強力な消光剤として利用できることから、近年、バイオ分析への応用が期待されている。一本鎖DNAはその塩基部位とのπ- πスタッキングや疎水性相互作用により、GOに強く吸着するが、二本鎖を形成すると、塩基対となり塩基部位が構造内部に埋まってしまうため、親和力が大幅に低下することが知られている。本研究では、DNA鎖交換反応によるGOからのDNA放出を利用し、高選択的な核酸検出法の開発を試みた。5’末端にFAMを修飾したプローブと捕捉DNAとが形成する2本鎖をGO上に吸着させた。捕捉DNAは3’末端側に長い1本鎖領域を有しており、GOに強く吸着する。プローブの3’末端側にも5塩基分の1本鎖突出領域があり、標的DNAが添加されると、この領域をきっかけ(toehold)として鎖交換が起こり、プローブが遊離する仕組みとした。同手法では、プローブ遊離後も捕捉DNAがGO上に留まり、吸着サイトを埋めることができるため、標的DNAの非特異的な吸着が抑制されることがわかった。また、従来法ではプローブが非特異的に脱着してしまうのに対し、同手法では、捕捉DNAを介してプローブが強くGOに固定されているため、非特異的なプローブの放出が抑制されていることがわかった。高いシグナルコントラストを得ることが可能となったが、同手法では原理的に標的DNAと同量以上のシグナルは得られない。そこで、連鎖的に進行する鎖交換反応を利用し、標的DNAを再生させながらシグナルを増幅する仕組み(DNAサーキット)を新たに取り入れ、高選択的、高感度な核酸検出システムの構築を試みた。その結果、DNAサーキットを用いない場合と比較して、約17倍のシグナル強度を得ることができた
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Research Products
(7 results)