2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25420276
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Research Institution | Ariake National College of Technology |
Principal Investigator |
河野 晋 有明工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30270375)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | パルスパワー / バイオエレクトリクス / 受精卵 / 遺伝子導入 / メダカ |
Outline of Annual Research Achievements |
パルスパワー領域の高電圧極短パルスと両極性の低電圧バーストパルスを組み合わせたパルスシステム(非対称バーストパルスシステム)を構築して,メダカ受精卵やその他の生物に対する遺伝子導入実験を行った。昨年までのパルスシステムに改良を加え,また,同パルスシステムの2台目を製作し稼動させた。これにより遺伝子導入実験を行う環境を改善した。メダカ受精卵に加えて,本年度よりミジンコ卵とHL60細胞(白血病細胞株)に対する遺伝子導入の基礎実験を開始した。対象となる生物に対する電気的ダメージや周囲溶液に起因する影響を少ないものとする実験条件を調査した。 GFPベクターを混合した等張液中のメダカ受精卵に,パルスパターンとして,高電圧極短パルス(100 ns,3.2 kV)を印加した後に非対称バーストパルス(400発,正パルス300 us,8 V + 負パルス30 us,8V)を印加した場合に約4%,高電圧極短パルスの前後に非対称バーストパルス郡(各200発づつ,正パルス300 us,8 V + 負パルス30 us,8V)を加えた場合に約15%のメダカ受精卵でGFP発光が確認できた。現状では,GFP発光が確認できる個体として正常に発生を続けるものもあるが,卵黄が収縮し死亡するものの割合が高い。今後は前者の割合が増えるようなパルス条件の調査と再現性の確認が必要である。 その他の生物に関して,ミジンコ卵に対しては(まだ数回の実験であるが)一部の個体でGFP発光が確認できた。HL60細胞(白血病細胞株)に対しては導入実験を行える環境の構築ができたため,GFP導入の基礎実験を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非対称バーストパルスシステムの改良と2台目の製作により,実験環境が改善され,順調に導入実験が行えている。メダカ受精卵以外の対象生物に対する遺伝子導入実験を行う環境も整いつつあり,おおむね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
各対象生物に対する実験条件をより細かく設定し,導入効率について調査する。また,GFP発光が確認できた実験条件では複数回の実験を行い再現性について検討する。
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Causes of Carryover |
研究はおおむね計画通りに進んでおり,平成26年度の支出はほぼ予定通りであった。今回の差し引き金額の一部としては,論文投稿料として考えていたが,年度内に掲載許可が出なかったため翌年度に繰越しとなった。それを除いた金額は比較的小額であり,平成27年度分と合算して使用するほうが効率的であると判断した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度分と合算して使用する。
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