2014 Fiscal Year Research-status Report
有機半導体メモリの作製と擬似ニューラル回路への応用
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25420310
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
福田 永 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10261380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
夛田 芳広 室蘭工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30637202)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ナノデバイス / 有機半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
検出物質を分子識別素子と反応させ物理量とし電気信号に変換する素子で検知する場合、電荷量の検出であれば半導体素子を用いた電界効果トランジスタ、光量を検出するのであれば光電子増倍管などが使用される。質量を検出する素子として、これまで水晶振動子(QCM)センサーや表面弾性波(SAW)センサーが使われている。圧電体の内部を伝わるバルク波を用いたQCMセンサーはすでに製品化され、周波数は水晶の厚みに依存し、5~30MHz程度である。一方、SAWは,圧電体表面に配置したすだれ状櫛形トランスデューサー(IDT)電極に高周波を印加して発生させられる。その周波数はIDTの幅に依存し、半導体プロセス技術で微細化することで容易にIDTはMHz帯の周波数を発生できる。電気信号で溶液の物性を検知する場合,高周波ほど高感度であることが知られており、SAWの溶液センサーへの応用に期待が寄せられている。本研究の目的は,有機半導体メモリの構造として、表面波メモリを想定している。これは半導体と表面波の非線形相互作用を応用したデバイスである。これは表面波の信号を半導体表面に電荷を空間分布させ必要な時に読みだすものである。チャネル層にペンタセン薄膜を用い電荷蓄積層にCYTOP薄膜を用いた新しいデバイスを作製した。CYTOP層は塗布により成膜した。電荷保持特性を調べるため、ゲートにバイアスを印加し、伝達特性におけるしきい値電圧変化を確認した。その結果、5V程度の電圧変化を確認した。またストレス印加後はその状態を保持していた。一方、表面弾性波デバイスは水晶基板を用いて作製し、2.5ミクロン電極巾で3動作周波数250MHzを得た。また櫛形電極構造をダブル電極構造とし、反射波の影響を除去した。これらの有機半導体トランジスタ構造と表面波デバイスを連結して表面波メモリを作製する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
有機半導体メモリにおいて極めて安定した電荷保持性が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
単体デバイスの動作が確認できた段階で、それらをマトリックス状に配置しニューラル動作を確認する。具体的には、表面波メモリの伝播路上に有機H薄膜トランジスタを作製し、空間電荷蓄積層を形成する。
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Causes of Carryover |
試薬の金額が予想を下回ったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に塗布材料を購入する。
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Research Products
(2 results)