2013 Fiscal Year Research-status Report
大面積補修に適した高耐久・高靱性な吹付け繊維補強モルタルの開発
Project/Area Number |
25420458
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小林 孝一 岐阜大学, 工学部, 教授 (20283624)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | HPFRCC / SHCC / 補修 / 塩害 / 鉄筋防食 |
Research Abstract |
繊維の種類(高強度PE繊維,高強度PVA繊維,および両者の混合(以下PEPV繊維))を用い,石灰石粉の置換率を変化させたSHCC供試体を作製した。これら異なる配合のHPFRCCにおいてダンベル型供試体の一軸引張試験を行った上で,SHCCの力学性能とひび割れ性状は引張ひずみの各段階で合成繊維種類およびモルタルマトリックスの違いの影響について検討した。補修後にひび割れ発生した場合にも,塩化物イオン浸透抵抗性に与えるひび割れ幅の影響を検討し,はり部材のHPFRCCの鉄筋防食性能についての検討を目的として実施し,下記の結果が得られた。 (1) 石灰石粉の置換量が増加するほど,流動性が大きくなり,圧縮強度が低下し,ひび割れ発生強度が低下し,終局ひずみが大きくなる傾向を示した。(2) SHCCは補修材自体の耐塩分浸透性についてNCに比べ優れていると考えられる。本研究の範囲では,水セメント比を増大させ,繊維混入率を0.75%に低下させたHPFRCCであっても,鉄筋防食性能が高いと認められる。(3) PVA繊維を用いた供試体はPE繊維とPEPV繊維を用いたものよりも塩化物イオン量が低かった。PE繊維を用いた供試体はPEPV繊維のものを比較すると,合計ひび割れ幅が小さかったが,塩化物イオン量が同程度であった。(4) PEPV繊維を用いた供試体はPE繊維とPVA繊維より最大塩分浸透深さが大きかった。ひび割れがない所の塩分浸透深さは,PE繊維とPVA繊維を用いた供試体での比較から,石灰石粉を置換すると,塩分浸透深さが大きかった。(5) PEPV繊維とPVA繊維を用いた場合では,石灰石粉の置換量が300kg/m3供試体の鉄筋腐食面積が比較的大きかったのに対して,石灰石粉を置換しない供試体については,鉄筋に腐食が全くないか,あってもすごく小さな面積であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SHCCの高い物質透過抵抗性に期待して補修材料として用いる場合には,構造物の常時使用状態においてのみ複数微細ひび割れが発生すればよく,その後の部材降伏が起こるような大変位下で例えひび割れ幅の拡大が生じるとしても,通常の使用状態における耐久性には影響を与えないと考えられる.言い換えると,現在のSHCCは,耐久性面から見るとかなりのオーバースペックであると考えられる. そこで,ここでは期待された物質透過抵抗性および鉄筋保護性能を達成するために必要なSHCCのひび割れ特性を明らかにすることをめざした.その結果,繊維の性能が若干劣っていても,SHCCの鉄筋防食性能には大差がないことが明らかとなった.これは従来のSHCCの研究が材料単体のひび割れ性状のみに立脚して実施されていたのに対し,本研究では実際の構造物と同様に鉄筋と併用した部材で検討を行ったためである.この発見の意義は大きく,これまで考えられてきたよりも安価に本材料の復旧を計ることが出来ることを意味する.
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Strategy for Future Research Activity |
・SHCCの2次元的変形性能と付着特性 現在,SHCCの引張応力下での特性評価には,土木学会規準に定められた一軸引張試験が用いられるが,吹付け施工による大断面補修を考えた場合には,①繊維の配向の乱れ,②二軸方向の応力の発生,の影響を考慮する必要がある.そこで,ASTM-C1550に定められた大型円盤状供試体による曲げ靱性試験を実施することにより,吹付け施工により生じる部材内での繊維の不均一な配向も反映した,SHCCの力学的特性を明らかにする. ・施工性と耐久性,経済性を全て兼ね備えたSHCCの開発 前年度までに理論的に明らかにされた,補修材としてのSHCCに求められる諸性能を満たしながら,コスト低減できるSHCC配合を提案する.前項目までの成果より,耐久性(物質透過抵抗性と鉄筋防食性能)については,微細ひび割れの分散性とひび割れ幅にて,施工性についてはフロー値とレオロジー値にて置き換えることにより,迅速に評価することが可能となっているので,これらの指標を用いて評価しつつ,水結合材比や結合材量,砂結合材比などの配合の変更,フライアッシュなどの混和材の使用,新しい高性能減水剤や増粘剤の使用などにより,目指す性能を有する配合を開発する.
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Research Products
(2 results)