2015 Fiscal Year Annual Research Report
扁平な破砕貝殻の水理学的特性の解明と貝殻を再利用したキャピラリーバリア地盤の開発
Project/Area Number |
25420514
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小林 薫 茨城大学, 工学部, 教授 (80443638)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | キャピラリーバリア / 限界長 / 覆土 / 破砕貝殻 / 不飽和浸透特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、1)細粒土層厚を変化させた室内大型土槽実験を行い,細粒土層厚がキャピラリーバリア(CB)の限界長等に及ぼす影響並びに2)2次元の数値シミュレーション(HYDRUS-2D)によるCB地盤の限界長の評価を実施した。主な結果を1),2)の順で示す。 1)実験による限界長の評価:(1)CBの限界長は,細粒土層厚が厚くなるほど伸びるが,層厚が増加するにつれてその増加割合は徐々に鈍化し,最終的には一定値に収束する傾向を示した。(2)流出水量比は,細粒土層厚が増加するほど大きくなる傾向を示した。また,同じ細粒土層厚でも,傾斜角度/散水強度(φ/qr)の比が大きいほど浸透水を側方へ排水する能力が高い。加えて,φ/qr が同値の場合,qr の小さい方が排水能力は高い傾向にある。(3)Steenhuis et al.の推定式は,細粒土層厚が薄い場合は,限界長を危険側に評価する可能性がある。(4)推定式を適用できる細粒土層厚の1つの目安は,細粒土の水分特性曲線(SWCC)から得られる毛管水帯の高さ程度以上と推察される。 2)解析による限界長の評価:(1)斜面CB層を有する浸透現象をHYDRUS-2Dで再現できるかどうかを検討した結果,大型土槽の実験データと比較して,かなり正確に水分動態を示すことができた。(2)限界長を推定するために,砂,礫の水分移動特性値が必要で,排水過程と吸水過程の土壌水分特性曲線に基づいて,van-Genuchten-Mualemモデルのパラメータを入力値に採用した結果,実験条件にあった吸水過程のパラメータが大型土槽実験値160~170cmと一致した。(3)HYDRUS-2Dを有効に使用するためには,礫の物性値の決定法が重要であることを示唆した。
|
Research Products
(14 results)