2013 Fiscal Year Research-status Report
博多湾内浚渫窪地の修復に伴う周辺底面環境の環境回復過程評価と環境創造効果の定量化
Project/Area Number |
25420561
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
渡辺 亮一 福岡大学, 工学部, 准教授 (50299541)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 惟義 福岡大学, 工学部, 教授 (00038100)
伊豫岡 宏樹 福岡大学, 工学部, 助手 (40432869)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 浚渫窪地 / 貧酸素水塊 / 底泥 / 酸素消費 / 埋め戻し / 環境改善 |
Research Abstract |
浚渫窪地周辺での底面環境調査:調査項目(水質・底泥・底生生物)(観測・分析班:渡辺・伊豫岡)多項目水質計DS5を用いて,窪地内部および周辺底面環境の環境修復効果を確認する目的で,平成25年度に7月~11月にかけて調査を実施した。調査時の詳しい観測結果に関しては、土木学会西部支部研究発表会および土木学会年会に発表する予定である。 今年度の観測結果より、博多湾室見川河口沖に位置する浚渫窪地を埋め戻すことにより、周辺の貧酸素水塊の広がりが抑制されていることが分かってきた。また、底泥の酸素消費量をベルジャー型の観測機器を用いて観測することにより、底泥の酸素消費ポテンシャルを観測した。その結果、埋め戻し後の窪地周辺の底泥酸素消費ポテンシャルが低下し、底泥環境が改善されていることを確認することが出来た。 浚渫窪地周辺で発生する貧酸素水塊に関しては博多湾において、その発生頻度が減少していることを観測しているが、湾奥部においては依然として貧酸素水塊が発生しており、今後も継続して観測および測定していくことで、改善状況をモニタリングしていく。 浚渫窪地から貧酸素水塊が溢れ出し周辺底部に拡散していく現象に関しては、浚渫窪地を埋め戻しを実施し始めて以降は、貧酸素水塊の発生が抑制される傾向にあり、今後、数年をかけて完全に埋め戻すことによって、どの程度抑制されるかを継続的にモニタリングを行い、その改善状況も明らかにする。 また、今後は底生生物の生息状況も底泥を直接サンプリングすることによって、回復状況を把握していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標としていた浚渫窪地周辺での貧酸素水塊の発生状況を的確にモニタリングし、確認することが出来ている。また、現地において底泥の酸素消費ポテンシャルを実測することで、埋め戻しによる環境改善効果を実測値により示すことが出来ているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、引き続き貧酸素水塊の発生状況をモニタリングするとともに、底泥の酸素消費ポテンシャルを実測し、浚渫窪地埋め戻しによる環境改善効果を定量的にとらえていく。 また、底生生物の生息状況をサンプリングによって確認し、底質の環境回復状況を把握していく予定である。
|