2015 Fiscal Year Annual Research Report
住工混在型コレクティブタウンに向けての町工場地域の評価に関する研究
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25420644
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
徳尾野 徹 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (80237065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 俊祐 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (50182712)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 町工場 / 住工混在地域 / 職住一致 / 敷際空間 / 表出 / あふれ出し / 領有化 |
Outline of Annual Research Achievements |
町工場では作業場が狭小であるために前面道路が工場空間の延長として利用されることが多く、様々な表出やあふれだしがみられる。加えて操業時の騒音、振動など環境劣悪化につながる要素があるものの、近隣への気遣いや自律的規範の存在によって、前面道路および敷際空間は共有領域として良好な集住環境形成の一端を担っていると考えられる。 そこで、敷際空間の領有化の実態を明らかにするとともに、領有化と住工混在度や建物規模など地区特性との関係性を見出すことで領有化の条件を整理することを目的に、大阪の住工混在地域5地区において敷際空間および前面道路の利用実態と利用者意識を把握するために現地観察調査と聞き取り調査を実施した。 その結果、敷際空間の使われ方の特性として、①オモテとウラの使い分け(住宅玄関に近い側がオモテ等)、②中間領域としての敷際空間(休憩・打合せ・立話・植栽等)、③コミュニケーションの活発化(工場間、住工間の会話等)、④専用住宅における表出の促進、を見出した。また、敷際空間が活発に利用される条件として、住工混在度が高い、建物規模が150㎡以下、住工建物の開口部の向きが対面している通りでは住・工が影響しあい共有領域化が進む。また、道路幅員5m以上の場合は、工場の出入口が常時開放されることが多くなり、さらに共有領域化が進むことが明らかとなった。 ダライコや駐車といった工場の必然的な敷際空間利用には自律的規範があり、その積極的な利用が住工相互の共有領域としての敷際空間を形成する実態が明らかとなった。このように工場の近隣への配慮や表出の誘導性が、連続する敷際空間の一体的な活用を誘発住工建物の開放性を高める。地域に閉ざすのではなく、段階的に地域へ開くことで工場被害を許容する良好な近隣関係を形成し、それがさらなる表出へとつながる。この流れが住工混在独自の環境形成に寄与していると考えられる。
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Research Products
(2 results)