2013 Fiscal Year Research-status Report
コラーゲン線維の配向組織制御による再生医療技術の開発と新素材応用
Project/Area Number |
25420761
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
葛巻 徹 東海大学, 工学部, 准教授 (50396909)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥越 甲順 東海大学, 医学部, 教授 (50126603)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | コラーゲン線維 / 張力印加 / 組織制御 / 再生医療 |
Research Abstract |
正常な腱では主成分の膠原線維はすべて縦列化しているが、どのような機序で線維の合成・縦列化が進み、断裂した腱が再生するのか不明な点が多かった。本研究では、断裂したアキレス腱から分泌される物質(tendon gel)への張力印加により引張方向に膠原(コラーゲン)線維が縦列化して成長する現象について、独自開発したナノ材料試験システムを用いて定量的に解析し、コラーゲン線維の縦列化機序を解明することを主な目的とした。本実験により、tendon gelへの極微少な応力印加で既にコラーゲン分子同士の架橋反応が起こり線維の縦列化が始まることを明らかにした。また、顕微FT-IRを用いた解析により、tendon gelへの張力印加によるコラーゲン分子の架橋反応の開始と線維束の形成、さらに、完成された正常な腱組織の状態をスペクトルで見分けられることを明らかにした。実験では引張応力とコラーゲン線維束の太さとの関係についても検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は主に顕微FT-IRを用いた分光学的手法により張力を印加したtendon gelの組織的な変化の詳細を明らかにすることができた。また、コラーゲン線維は印加応力の大きさに応じて太く成長する傾向にあるが、生体内でアキレス腱の修復の際に印加できる最大応力は約1MPaであること等、定量的なデータを得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の項目について検討する。 (1) コラーゲン線維の配向によるアキレス腱の再生には張力印加の影響が大きいことから、腱の再生を促すための最適な条件について検討する。 (2) 魚の鱗コラーゲン由来の透明膜を室温で形成する技術の開発を目標とし、自立膜及び塗布膜を形成し、さらに導電性物質の複合により導電性を付与した膜の形成について検討する。 ①コラーゲン線維の配向組織制御による透明薄膜の作製及び機械的性質の評価を試みる。 ②導電性ナノ繊維としてカーボンナノチューブをコラーゲン線維に複合した透明薄膜の形成と体積抵抗率の評価を試みる。 ③導電性金属ナノ粒子を複合した透明薄膜の形成と体積抵抗率の評価を試みる。
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Research Products
(2 results)