2015 Fiscal Year Annual Research Report
生体内ヒトアレルギー応答を可能にしたヒト化マウスの開発
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25430099
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Research Institution | Central Institute for Experimental Animals |
Principal Investigator |
伊藤 亮治 公益財団法人実験動物中央研究所, その他部局等, 研究員 (60425436)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヒト化マウス / アレルギーモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではマスト細胞、好塩基球などアレルギー関連細胞の分化に重要なサイトカインであるヒトIL-3およびGM-CSFを遺伝子導入したトランスジェニックNOGマウス(NOG hIL-3/GM-Tg)を用い、生体内アレルギー応答を再現するアレルギーモデルマウスの作製を目的とした。平成25年度の成果としては、ヒト化したNOG hIL-3/GM-Tgマウスへ花粉症患者血清および花粉抽出液を投与し、皮膚組織へのエバンスブルー血管外漏出を指標としたPassive Cutaneous Anaphylaxis (PCA)反応を行った。その結果、Tgマウスの皮膚にて顕著な色素漏出が認められ、マスト細胞の脱顆粒亢進が示唆された。 さらに本TgマウスへHLA-DR, IL-5, IL-33遺伝子をそれぞれ導入した複合型Tg NOGマウスを作製し、より高感度にヒト臨床病態を反映することが期待されるアレルギーモデルマウスを作製した。HLA-DR, IL-33遺伝子による複合型マウスは、最終年度に系統化を完了し、現在ヒト造血幹細胞(HSC)移入によるヒト化を行っている。ヒト好酸球を効果的に誘導するIL-5 Tgと掛け合わせたIL-3/GM/IL-5 トリプルTgマウスはすでに系統化を終えており、最終年度にヒト化とハウスダストマイト(HDM)気管内投与によるアレルギー性喘息誘導を試みた。その結果、有意差は得られなかったものの、トリプルTgマウスにおいて肺組織へのヒト好酸球浸潤が認められた。今後、HDM投与量、投与間隔、ヒト化後の実験適齢を検討し、前臨床応用可能なヒト化マウスモデルの確立を目指す。
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