2014 Fiscal Year Research-status Report
ワールブルグ効果解消によるがん治療開発へ-がん組織バンクを活用して
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25430163
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Research Institution | Miyagi Prefectural Hospital Organization Miyagi Cancer Center |
Principal Investigator |
佐藤 郁郎 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), ティッシュバンクセンター, センター長 (50225918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田沼 延公 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 主任研究員 (40333645)
伊藤 しげみ 地方独立行政法人宮城県立病院機構宮城県立がんセンター(研究所), がん薬物療法研究部, 特任研究員 (80600006)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 代謝 / 解糖系 / ワールブルグ効果 / PKM / スプライシング |
Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞に特徴的な代謝スタイル(嫌気的解糖系の構成的異常亢進:ワールブルグ効果)と密接に関連する「解糖系酵素遺伝子のスプライシング異常」の臨床的意義や分子機構解明について、取り組んだ。平成26年度の成果としては; (1)前年度において、当該研究施設がん組織バンク所収検体を対象としたピルビン酸キナーゼM(PKM)遺伝子のスプライシング解析で、肺がんの組織型によって大きな違いがあることを見出していた。本年度は、そのような違いが、それぞれのがんの代謝形質や薬剤感受性と如何に対応するについて検討を行った。具体的には、細胞株を用いた実験で、各細胞株の酸素消費量やミトコンドリア呼吸鎖阻害剤に対する感受性、免疫不全マウスにおける腫瘍原性を調べた。また、新鮮手術検体を新たに収集し、それら腫瘍組織での一斉メタボローム解析を行った。現在、組織型やstage、TNM因子、虚血時間との相関などについて、詳細な解析を進めている。 (2)PKMの酵素活性を抑制、あるいは上昇させる活性をもつ低分子化合物について、その作用機序を検討した。前年度の一次スクリーニングにおいて、約15種のPKM活性の変化を惹起する化合物を同定していたが、検討の結果、これら化合物は全て、PKM精製標品に対して、試験管内での活性測定では効果を示さないことが分かった。従って、これら化合物は、細胞内シグナル伝達や代謝物レベルの変動を介して間接的にPKM活性を変動させていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PKM制御化合物の探索に遅れが生じたものの、肺がんの解析で当初想定以上の成果がみとめられたため、区分「2」とする。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね当初計画に沿って研究を推進する。
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Causes of Carryover |
消耗品費が、予想よりも少額で済んだため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究をより円滑に推進するため、消耗品費を計画よりも増額する。
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Research Products
(8 results)