2015 Fiscal Year Annual Research Report
概日時計の基本特性「入力・発振・出力」を分子レベルで解き明かす
Project/Area Number |
25440041
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉種 光 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (70569920)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 転写制御 / バイオインフォマティクス / 生物時計 / 時計遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
CLOCK-BMAL1複合体は時計シスエレメントE-boxに結合して転写リズムを生み出すことにより、時計発振の中心的な役割を担っている。一方で、E-boxとは異なる時刻に転写産物のピークを作り出す時計シスエレメントとしてD-boxが知られており、bZIP型の転写因子であるDBP(活性化分子)とE4BP4(抑制分子)により転写活性が制御されている。本研究費の支援を受けてこれまで、DBPに対する抗体を新たに自作し、DBPの発現量が高い夕方と発現量が低い明け方にChIP-Seq解析を行った。実際に生体内でDBPが結合している2,725のゲノム領域の情報をE4BP4の結合領域の情報と統合し、機能的なD-box配列の決定を試みた。具体的には、初年度に開発したバイオインフォマティクス技術MOCCSをさらに改良することにより目的を達成することができた。これまでのMOCCS解析では、CLOCKが認識する6bpのDNA配列を解析したが、単純にMOCCS解析を8bpのD-boxに適応することはできなかった。そこで、新たに出現頻度をスコアーに組み込むことにより、長い認識配列にも対応できるようになり、DBPとE4BP4によりリズミックに転写制御されるDNA配列を正確に記述することができた。 また本研究では、培養細胞に発現させた時計タンパク質DBPを質量分析に供し、そのリン酸化部位とユビキチン化部位を同定した。また、新たに同定したDBP相互作用分子の中には、リン酸化酵素やE3リガーゼが含まれていた。これと並行して、時計タンパク質CRYの相互作用分子として、脱ユビキチン化酵素USP7とALSの原因因子TDP-43を同定した。TDP-43の過剰発現はCRYを安定化したが、この安定化作用は同時にFBXL3を機能阻害することにより観察されなくなった。これに対してUSP7によるCRYの安定化はFBXL3の機能阻害下でも観察されたため、複数のE3リガーゼによるユビキチン化の全てをリセットする強力な機能を持つと考えられた。
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Research Products
(24 results)
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[Journal Article] The chondrocyte clock gene Bmal1 controls cartilage homeostasis and integrity2016
Author(s)
Michal Dudek, Nicole Gossan, Nan Yang, Hee-Jeong Im, Jayalath PD Ruckshanthi, Hikari Yoshitane, Xin Li, Ding Jin, Ping Wang, Maya Boudiffa, Ilaria Bellantuono, Yoshitaka Fukada, Ray P. Boot-Handford, and Qing-Jun Meng.
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Journal Title
The Journal of Clinical Investigation
Volume: 126
Pages: 365-376
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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