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2014 Fiscal Year Research-status Report

死細胞貪食による動物個体の成長期間調節機構の解析

Research Project

Project/Area Number 25440044
Research InstitutionHirosaki University

Principal Investigator

永長 一茂  弘前大学, 食料科学研究所, 准教授 (70401891)

Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywords貪食 / ショウジョウバエ / 貪食受容体 / アポトーシス / 転写 / 成長 / 発生
Outline of Annual Research Achievements

死細胞の貪食除去には、多細胞生物に共通かつ必須な役割があると予想されている。研究代表者は、貪食受容体を持たないショウジョウバエでは貪食が著しく抑制されるだけでなく、個体が成虫になるまでに要する期間が長くなることを見出した。本研究では「不要
な細胞を取り除くことで成長が促進する」という視点から解析を行っている。具体的には、貪食に依存した動物個体の成長期間調節の存在を示し、その仕組みを明らかにするための実験を行っている。
25年度は、死細胞を貪食した食細胞が成長促進因子を生産すると仮定に基づき、貪食依存に発現が誘導される遺伝子群を見出すためのマイクロアレイ解析を行った。ショウジョウバエ培養細胞を用いた同解析により、337遺伝子で貪食依存の発現量増加が見られた。本年度は、これらの発現誘導機構を知るための解析を行った。
337遺伝子のうち発現が誘導される可能性がより高い50遺伝子について、文献検索によりそれらの転写を調節する因子を調べたところ、12の転写因子が見出された。その全てついて、ゲルシフトアッセイにより転写因子活性化の貪食依存性を検証したところ、転写因子Aのみ依存性が見られた。一方、貪食受容体のDraperおよびintegrin beta-nuの発現をRNA干渉で抑制した食細胞では、貪食依存の転写因子Aの活性化は観察されなかった。
Aが転写を調節する遺伝子B(マイクロアレイ解析で同定)は発生に関与することが知られていることから、「Draperまたはintegrin beta-nuを介して死細胞を貪食した食細胞は、転写因子Aを活性化して遺伝子Bの発現を誘導し個体の成長を促す」仕組みの存在が示唆された。
また、転写因子Aの成長への関与を知るために同遺伝子の発現を欠いたショウジョウバエの解析を予定していたが、同個体は致死であった。現在、部位特異的に発現を抑制した個体を作製している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、貪食受容体を介した遺伝子発現誘導の根拠となる「発生に関与する遺伝子の発現を調節する転写因子の活性化」および「転写因子活性化の貪食受容体依存性」を明らかにしたからである。これは、本年度の研究が計画通りに遂行されたことを意味する。研究は順調に進展しているといえ、翌年度以降の研究遂行が可能と考えている。

Strategy for Future Research Activity

本年度に引き続き、貪食受容体依存の貪食により活性化する転写因子Aの遺伝子発現誘導機構の全容解析、および成長期間調節機構を解析する。
前者については、主に培養細胞を用いて解析を進める。貪食受容体を起点とした貪食誘導性情報伝達経路を担う分子群の関与や転写因子活性化機構、および貪食を導く情報伝達経路と遺伝子発現の関与の有無の特定を目指す。
後者については、主にショウジョウバエを用いて解析を進める。遺伝子Aを欠いたショウジョウバエは致死なため、Aの発現を部位または時期特異的に抑制あるいは誘導したショウジョウバエを作製し、成長への関与を調べる。

Causes of Carryover

平成27年度にショウジョウバエ個体の詳細な観察を行うため、蛍光実体顕微鏡が必要となる。当初計画では金沢大学備品の同顕微鏡を利用する予定であったが、研究代表者が金沢大学から弘前大学へ異動したため、新たに購入する必要が生じたため、平成26年度予算の大半を次年度使用することにした。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度使用額920,062円と平成27年度予算の1,000,000円を合わせた1,920,062円のうち約180万円を蛍光実体顕微鏡一式(オリンパスSZX16)の一部費用に充て、残額を物品費とする。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] ショウジョウバエの個体成長における貪食受容体の役割2014

    • Author(s)
      永長 一茂
    • Organizer
      日本生化学会北陸支部第32回大会
    • Place of Presentation
      富山
    • Year and Date
      2014-05-24 – 2014-05-24
    • Invited

URL: 

Published: 2016-05-27  

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