2013 Fiscal Year Research-status Report
コメと人の安全・健康のためのイネのヨウ素吸収・移行の機構解明
Project/Area Number |
25450079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
関本 均 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10261819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 美智子 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (90345182)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヨウ素 / 栄養強化 |
Research Abstract |
25年度の当初の計画は、1.イネ突然変異体を用いたヨウ素過剰耐性系統のスクリーニング、2.ヨウ素に応答する、ヨウ素過剰耐性関連遺伝子の探索、3.ヨウ素/Naシンポ―ター(NIS)のイネホモログ等、候補遺伝子の探索の3課題を設定したが、2と3の課題の遂行の前に、26年度に計画していた、4.イネにおけるヨウ素吸収、移行のメカニズムと代謝について生理学的解析を優先的に行う必要が生じたため、25年度は1と4の課題に着手した。25年度の実績は以下の通りである。(1)イネ根が溶液中のIO3-をI-に還元する生理作用を有していること、(2)ヨウ素過剰耐性弱(強)では根のIO3-還元活性は高い(低い)という対応関係があったことから、根のIO3-還元活性の違いが、ヨウ素過剰耐性の品種による違いをもたらしていることが示唆された。(3)ランダムに遺伝子が変異した、イネ変異体を用いて、ヨウ素過剰条件で他の個体と異なる応答を示す変異体を選抜した。472系統をヨウ素過剰条件下で、一次・二次・三次選抜を行い、ヨウ素過剰耐性を示した3系統を選抜した。系統1,2は、台中と比較して有意に高い生育量を示し、特に系統2では、収量も高く、3系統の中で最も高い過剰耐性を示した。地上部ヨウ素濃度には、有意な差は認められなかったため、系統2はヨウ素害を受けにくいこと、(4)系統2のヨウ素過剰耐性の要因は、ヨウ素酸還元活性に起因するものではないことが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
優先して行う必要がある課題が生じたため、一部、当初計画を変更(優先順位の入れ替え)した(研究実績の概要参照)が、これは研究計画の不備や遅延ではなく、確実な研究推進を図るための必要な措置であった。変更後の研究課題の達成度は十分である。
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Strategy for Future Research Activity |
計画の優先順位を入れ替えたが、当初の計画に則り、1.異なるイネ突然変異体を用いたヨウ素過剰耐性系統のスクリーニングを継続し、2.ヨウ素に応答する、ヨウ素過剰耐性関連遺伝子を探索する。加えて、3.ヨウ素/Naシンポ―ター(NIS)のイネホモログ等、候補遺伝子の探索とこれらの候補遺伝子の機能解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究分担者(髙橋)が2013年10月から体調を崩し、病気休暇・休職中であるため、当初予定していた、研究費の執行が滞ったため。 休職中の研究分担者(高橋)は2014年前半には復帰予定であるため、復帰後には2013年度分の研究費執行を行いたい。なお、高橋には2013年度の未執行の研究費があるため、研究分担者ではあるが、2014年度の研究費配分は行わない。
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[Journal Article] Rice (Oryza sativa L.) roots have iodate reduction activity in response to iodine2013
Author(s)
Kato, S., Wachi, T., Yoshihira, K., Nakagawa, T., Ishikawa, A., Takagi, D., Tezuka, A., Yoshida, H., Yoshida, S., Sekimoto, H. and Takahashi, M
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Journal Title
Frontiers in Plant Sci.
Volume: 4
Pages: Article227
DOI
Peer Reviewed
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