2014 Fiscal Year Research-status Report
コメと人の安全・健康のためのイネのヨウ素吸収・移行の機構解明
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25450079
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
関本 均 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10261819)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 美智子 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (90345182)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ヨウ素 / 過剰耐性 / 変異体 / ヨウ素トランスポーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、1.イネの突然変異体を用いたヨウ素過剰耐性系統のスクリーニング(日本晴MNU処理変異)、2.ヨウ素の吸収・輸送に関わるトランスポーター遺伝子の探索と機能解析の2課題に着手した。成果は以下の通りである。(1)昨年度(25年度)に行った、台中を母本とした変異体に代えて、日本晴MNU処理変異体をヨウ素過剰条件で栽培して973系統からヨウ素過剰条件に耐性を示すイネ変異系統を7系統選抜した。この選抜した7系統のうちヨウ素の吸収・移行関連遺伝子に変異がある可能性の高い1系統について変異している遺伝子を特定することを目的としてヨウ素過剰耐性の要因を解析した。生理学的実験を行ったところ、この変異系統はヨウ素酸イオンの輸送が抑制されていることが示唆された。この変異系統は低濃度のヨウ素酸イオンに応答する高親和性のヨウ素酸吸収・移行に関する遺伝子またはその機能が欠損していると考えられた。(2)ヨウ化物イオン(I-)を輸送することが明らかになっているNIS(ヒトやラット)や、AtCLCa(シロイヌナズナ)と相同性を有するイネの遺伝子をBLAST解析で探索した。また、I-またはヨウ素酸イオン(IO3-)処理によって発現が増加する遺伝子をマイクロアレイ解析や半定量RT-PCR解析で探索したところ、I-およびIO3-トランスポーター候補遺伝子として、機能未知のAK101523、AK108161、AK067178、AK065840、AK121279や液胞膜に局在するCl-channelであるAK066027、AK069669があがった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究分担者が体調を崩し、1年間(本年度の研究期間)休職した。27年度は復職しているが、十分に研究推進ができる体調ではない。そのため、予定していた課題の遂行がやや遅れるとともに、研究成果の公表(論文執筆)が停滞した。
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Strategy for Future Research Activity |
交付申請書に記載した研究課題を予定通り遂行するとともに、研究分担者においては、25年度の成果の取りまとめを優先する。
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Causes of Carryover |
100%の経費執行を目指したが、端数が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
端数分を含めて経費執行する。
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