2014 Fiscal Year Research-status Report
イネにおけるジャスモン酸非依存性病害抵抗性発現機構の解明
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25450157
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| Research Institution | Teikyo University |
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Principal Investigator |
山根 久和 帝京大学, 理工学部, 教授 (80090520)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | イネ / 病害抵抗性 / ファイトアレキシン / ジャスモン酸 / エリシター / ジャスモン酸非依存性シグナル伝達経路 / ジャスモン酸欠損変異体 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
イネにおいて病原菌感染に応答して生産されるジテルペン型ファイトアレキシンは、ジャスモン酸 (JA) 依存性と非依存性のシグナル伝達経路により誘導される。本年度は、昨年度に引き続き、ジャスモン酸非依存的にジテルペン型ファイトアレキシンを誘導するシグナル物質の探索を行った。また、イネにおいてファイトアレキシン生産を誘導することが知られているUV-C照射で機能する情報伝達系についてもJA非依存性情報伝達系が機能しているかどうかについて解析した。
野生型とJA欠損変異体cpm2を用いたファイトアレキシン誘導活性検定により、植物ホルモンの一つであるサイトカイニンが、野生型でもcpm2においても同等にジテルペン型フィトアレキシンを誘導することを明らかにした。また、病原菌感染と同様にイネに病害抵抗性反応を誘導する塩化銅処理により、サイトカイニン生合成酵素遺伝子LOGのホモログが処理後早期に誘導されることも示した。今後、塩化銅処理したイネ葉身におけるサイトカイニン内生量の分析を行うとともに、前年度行ったマイクロアレイで同定した、塩化銅誘導性転写因子のサイトカイニン応答性についても解析する予定である。また、いもち病菌から同定されたセレブロシドエリシターがcpm2においても野生型イネにおける誘導レベルと同等のジテルペン型ファイトアレキシンを誘導することを示した。さらに、UV-C照射により、野生型イネにおいてはJA生合成が誘導されJA依存型のファイトアレキシン生産も誘導されるが、cpm2においては野生型と同等以上にジテルペン型ファイトアレキシンが誘導されることも分かった。こうして、JA非存性のファイトアレキシン生産は、様々なストレスによって誘導され、JA依存性のストレス応答を補完する機能を有することが強く示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H25年度の研究で、塩化銅処理したcpm2において検出されたファイトアレキシン誘導物質は超微量で単離同定は困難と考えられたが、以前より病害抵抗性誘導に関与することが示唆されていたサイトカイニンがJA非依存的にジテルペン型ファイトアレキシンを誘導することを発見した。また、セレブロシドエリシターもJA非存的にジテルペン型ファイトアレキシンを誘導することが確認された。これらは、JA非存的シグナル伝達系で機能する、転写因子を含むシグナル因子の同定のための有用な情報として活用できると考えている。また、農業生物資源研究所の森らとの共同研究で、JA依存性、および非依存性のジテルペン型ファイトアレキシン生産において、鍵転写因子DPFが機能していることが明らかになっているが、DPF遺伝子のプロモーター解析も試みており、全体として、JA非存性シグナル伝達経路の解明は着実に進展しているものと考えている。
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| Strategy for Future Research Activity |
サイトカイニンやセレブロシドエリシターにより、JA非存性シグナル伝達経路が活性化されることが明らかになったことから、当該シグナル伝達系で機能する転写因子の同定と生物学的機能を解明することを目指す。具体的には、当該シグナル伝達系でDPFの上流で機能する転写因子の同定と当該転写因子過剰発現体の作製を行う。また、ゲノム編集によりサイトカイニン生合成変異体の作製も目指したい。
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| Causes of Carryover |
次年度も遺伝子発現解析や変異体の作製等で、研究補助者の協力を必要としている。次年度使用額はほぼ全額を研究補助者の賃金に充当する予定である。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費 690,540
旅費 100,000
人件費・謝金 900,000
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Research Products
(1 results)
