2013 Fiscal Year Research-status Report
食事性肥満・糖尿病発症における男性ホルモン作用の解明
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25450176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
原田 直樹 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 助教 (00529141)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 男性ホルモン / テストステロン / アンドロゲン / 去勢 / 肥満 / 糖尿病 |
Research Abstract |
男性ホルモン(テストステロン)レベルが低い男性は短命となる。この要因としては、肥満や糖尿病発症リスクの上昇による心疾患や脳血管疾患発症率の増加が挙げられる。肥満や糖尿病発症リスクの上昇は、前立腺がん患者における抗アンドロゲン療法後の経過観察からも裏付けられている。テストステロンレベルは30歳前後から年間2-3%ずつ減少するため、加齢に伴うテストステロンの低下が上記の循環器疾患発症の一因となる。しかし、テストステロンを低下させるために去勢を行ったマウスでは肥満や糖尿病の発症が惹起されないと言われており、メカニズムの解明が停滞している。そこで本研究では、マウスに与える食餌に注目して、去勢により肥満や糖尿病を発症するモデルを構築することを目的として研究を行っている。 去勢マウスに組成の異なる食餌を与えて、体重の増加や血糖値の変化について観察を行った結果、体重増加量に及ぼす去勢の影響は食餌組成によって異なることが明らかになった。去勢によって肥満を発症したマウスでは、皮下および内臓の白色脂肪組織重量が増加することで体重が増加することが明らかになった。さらに、この肥満発症マウスでは、空腹時血糖の上昇が観察されたが、随時血糖や血漿インスリン値には影響がなく、ヘモグロビンAlcはむしろ低値であった。これらの結果から、去勢は耐糖能に影響するものの、明確な糖尿病の発症には至っておらず、去勢による肥満の発症と糖尿病の発症には、異なるファクターが関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的の1つである去勢による肥満発症モデルを構築することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
去勢による肥満発症モデルを作製できたのでこのメカニズムの解析をすすめる。また、糖尿病発症モデルに関しては、食餌を改変して構築を行う。
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