2014 Fiscal Year Research-status Report
花粉を飛散しないスギ品種を高精度で判定する技術の開発
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25450223
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
上野 真義 独立行政法人森林総合研究所, 森林遺伝研究領域, 主任研究員 (40414479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二村 典宏 独立行政法人森林総合研究所, 生物工学研究領域, 室長 (80343804)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スギ / 雄性不稔 / RNA-Seq / RAD-Seq |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に雄花を対象としたRNA-Seq法によって検出した一塩基変異(SNV)の候補について、リアルタイムPCRを使用する方法(HRM法)で検証を行った。雄性不稔と関係する候補SNVとして48個を選び、雄性不稔家系(24個体)の遺伝子型をHRM法で決定し、可不稔性の表現型との対応を解析した。その結果、HRM法で決定された遺伝子型と塩基配列データから推定された遺伝子型が一致しないSNVが複数検出された。これらの不一致について、塩基配列データを見なおしたところ、配列データの量が少ないSNVについて遺伝子型を誤って推定していることが考えられた。 次にRAD-Seq法によってSNV候補を探索するために、どのような制限酵素の組合せが適切かについて検討を行った。まずスギのゲノムサーベイシーケンスを得るためにIllumina社のシーケンサーを用いてスギゲノムの約2.5倍量の配列(26.2Gb)の収集を行った。得られた配列をアセンブルして626Mb(スギの全ゲノムの5.7%)の配列(174万本)を構築した。この内の半分にあたる313Mbの配列をサンプリング(スギゲノムの2.8%相当)し、制限酵素によるDNA配列の切断を計算機を用いてシミュレートした。一度に2種類の制限酵素を用いて消化し、総計30通りの制限酵素の組合せでシミュレートした。その結果、総断片数は制限酵素の組み合わせにより、最多の断片を生成する場合と最小の断片を生成する場合とで、約860倍の差があった。また生成された全断片を対象にそのうちサイズが150bp~300bpの断片で両端が異なる制限酵素で切断されている断片の割合を比較したところ、4.5%~25.1%のばらつきがあることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一塩基変異(SNV)候補について家系を用いて連鎖解析を行う予定であったが、そこまで至らなかったため、やや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
RNA-Seqについては花粉形成の候補遺伝子についてターゲットを絞り優先的に一塩基変異の検出と連鎖解析を行う予定である。また一塩基変異の検出を正しく行うために、収集するデータ量を増やすことを検討する。 RAD-Seqについてはシミュレーションの結果を参考にして、Illumina社のシーケンサーを用いて実験を行ってSNVの検出を行う。
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Causes of Carryover |
購入した物品が予定額よりも低価格で納品されたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度予定されている分析・実験等にかかる物品に使用する。
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