2015 Fiscal Year Annual Research Report
ウナギ属5種の初期生活史の比較による接岸回遊機構の解明
Project/Area Number |
25450281
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
篠田 章 東京医科大学, 医学部, 講師 (70401297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青山 潤 東京大学, 大気海洋研究所, 教授 (30343099)
吉永 龍起 北里大学, 水産学部, 准教授 (30406912)
阿見彌 典子 北里大学, 水産学部, 講師 (20588503)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ニホンウナギ / 熱帯ウナギ / ルソン島 / 初期生活史 / 接岸回遊 / 耳石 |
Outline of Annual Research Achievements |
フィリピン・ルソン島北部のカガヤン川河口において,2013年4月から2015年2月までの期間に採集したシラスウナギ44,286個体の外部形態を測定・観察し,その内の1,112個体について遺伝子を用いた種査定を行った。その結果,尾部色素の状態からA~Cの3型が識別でき,A型は背鰭始部の位置から短鰭型と長鰭型に細分できた。遺伝子を用いた種査定の結果とあわせると,A型(短鰭)が太平洋型バイカラウナギ(Anguilla bicolor pacifica),A型(長鰭)がA. interioris,C型がニホンウナギ(A. japonica)に対応することが明らかになった。また,B型にはオオウナギ(A. marmorata),ルソンウナギ(A. luzonensis),セレベスウナギ(A. celebesensis)の3種が含まれおり,これらの種判別には遺伝子査定が必要であることが示された。 出現種の種組成では,太平洋型バイカラウナギ,オオウナギ,ルソンウナギの3種が優占した。ルソンウナギは春から秋,太平洋型バイカラウナギは秋から冬の比較的短い期間に集中して出現したが,オオウナギは通年に亘って出現する傾向がみられた。ニホンウナギ,セレベスウナギ,A. interiorisの出現は稀で,カガヤン川には偶発的に来遊したものと考えられた。 2013年8月と11月に来遊したオオウナギ(n = 9, 10)と,太平洋型バイカラウナギ(2011年,2012年11月採集,n = 10, 10)について耳石による初期生活史推定を行った。その結果,オオウナギが140日前後で接岸するのに対して,太平洋型バイカラウナギの接岸日齢は170日前後であり,太平洋型バイカラウナギの方が接岸までの期間が1ヶ月程度長いことが明らかになった。
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Research Products
(1 results)