2014 Fiscal Year Research-status Report
植物工場の生産性向上を指向した植物根滲出物の動的モニタリング手法の開発
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25450374
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
安保 充 明治大学, 農学部, 准教授 (00272443)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 植物工場 / 活性酸素種 / モニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では植物工場における作物の状態把握、ストレス状態をモニタリングするために水耕液の経時的分析を行っている。まず水耕液のイオン強度は通常ECで分析されるが、本研究ではCE-C4D(非接触型電気伝導度検出器)を利用して主要無機イオンを簡便に測定する系の確立を行った。昨年度の陽イオン(K,Ca,Mg,Na,アンモニウムの各イオン)に加え、今年度は陰イオン(硝酸、硫酸、リン酸の各イオン)の分析が可能となった。主要無機イオンの組成変化を経時的に分析すると同時に、今後は小型化したマイクロチップ型装置を使って現場分析を検討する。一方、水耕液中の有機成分としては、CE-間接吸光法による有機酸分析において、検出感度の問題、肥料成分に含まれる多量の硝酸イオンによる妨害の問題があったが、吸着剤XADを利用した濃縮により解決を図っている。また、実験室レベルの実験で、強い塩ストレスを負荷した場合に、遊離アミノ酸および安定ラジカル種の量が変化することが確認され、植物工場レベルへの応用が可能か検証する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験室レベルでの強いストレス条件では、ストレスモニタリングに利用できる化学種は幾つか候補が挙げられるが、植物工場の生産レベルで発生することが予想される比較的弱いストレス状態において利用可能か検証する作業に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
ストレスモニタリングに利用可能な水耕液中の化学種を選定し、植物工場における生産性向上への応用が可能か検証する。また、指標となる化学種の構造が未知の場合は単離構造決定を行い、水耕液中に放出されるメカニズムについても考察する。
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Causes of Carryover |
成果発表を行う学会の開催時期が3月末であったことから、会計処理上、旅費の執行が年度内に終了できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本報告書作成時点ですでに執行済みである。
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