2015 Fiscal Year Annual Research Report
世界最小サイズのミニブタであるマイクロミニピッグにおける体細胞核移植技術の確立
Project/Area Number |
25450475
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
三好 和睦 鹿児島大学, 農水産獣医学域農学系, 教授 (70363611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 力 鹿児島大学, 農水産獣医学域獣医学系, 教授 (80420652)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 体細胞クローニング / 核移植 / マイクロミニピッグ |
Outline of Annual Research Achievements |
3頭のマイクロミニピッグ(MMpig)胎児に由来する細胞(胎児線維芽細胞1、2および3)を用いて作製したクローン胚を8mMのバルプロ酸で24時間処理後、MMpig仮親の卵管に移植した。一部のクローン胚は、バルプロ酸処理を行わずに移植した。162個のクローン胚をバルプロ酸処理をしないで移植した場合には、仮親の妊娠は認められなかった。一方、152個のクローン胚をバルプロ酸処理後に移植した仮親は妊娠し、帝王切開によって5頭の産子が得られた。そのうち2頭は死産で奇形が認められたが、3頭は生存しており形態的な異常は見られなかった。マイクロサテライトマーカー解析の結果、死亡産子2頭および生存産子2頭は胎児線維芽細胞2に、生存産子1頭は胎児線維芽細胞1に由来するクローンであることが示された。以上の結果から、活性化後にバルプロ酸処理をしたMMpig体細胞クローン胚は、産子にまで発生し得ることが明らかとなった。 次に、異種移植抗原α-Galエピトープを合成する酵素であるα-1,3-ガラクトシルトランスフェラーゼ(α-GalT)遺伝子をノックアウトした胎児線維芽細胞3に由来するクローン胚を作製し、それらの体外発生に及ぼすバルプロ酸の影響について検討した。その結果、クローン胚をバルプロ酸で処理することにより、胚盤胞形成率が有意に増加した。また、α-Galエピトープを欠失した胚盤胞の割合は、バルプロ酸処理の影響を受けなかった。以上の結果から、α-GalT遺伝子をノックアウトしたMMpig体細胞に由来するクローン胚の体外発生も、バルプロ酸処理によって改善することが示された。 本研究の結果から、MMpigにおける体細胞核移植技術が確立された。また、この技術を応用して遺伝子改変MMpigを作出し得る可能性が示された。
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Research Products
(7 results)