2015 Fiscal Year Annual Research Report
都市環境に侵入するイノシシのリスク分析とリスク回避手法の検討
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25450478
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
横山 真弓 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 教授 (50344388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淺野 玄 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (30377692)
佐藤 宏 山口大学, 獣医学部, 教授 (90211945)
中村 幸子 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 講師 (70543289)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 市街地出没 / ギャップ分析 / ロタウイルス / 餌付け禁止条例 / 意識調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
都市に隣接する六甲山系におけるイノシシの出没の要因と抑制手法を検討することを目的として、①イノシシの出没状況を把握するための痕跡指標の開発と出没ルートの特性の把握、②被害情報や出没状況をリアルタイムで収集するクラウドGISのシステム構築、③公衆衛生上のリスクを把握するため、リスクが最も懸念されるロタウイルスのリスク診断と今後のリスク評価、④餌付けを許容する社会状況を把握するための住民意識調査、を実施し、近年急増しているイノシシの都市出没を抑制するための対策を検討した。 ①出没ルートデータと行動追跡データ、環境要因を用いて、ギャップ分析を行った。六甲山系では、標高の中腹部及び市街地との接点である林縁部で生息適地が多く得られた。しかし、本地域においては餌付け地点から500m以内の被害報告が多く、潜在的なイノシシの生息状況と比較すると大きく行動がゆがめられていた。②出没状況を関係機関においてリアルタイムで共有するためのクラウドGISのネットワークを構築した。さらに登山グループと連携して餌付け者や山間部でのイノシシの出没情報を集積する仕組みを構築した。③市街地で捕獲された個体78個体についてロタウイルスの保有状況を調べた。ロタウイルスが検出されたのはこのうち1頭で、ブタ由来の株と近縁であり、人への感染影響は低いと判断された。④餌付けを許容する要因を探るため個別面接法と集合調査法を合わせて、185名から回答を得た。都市にイノシシが出没する要因を「「山に餌がないため」、「山に住むところがないため」がそれぞれ35.5%、17.0%が回答していた。イノシシの生息環境が悪化し、出没していると誤った事実関係で理解している住民が、餌付けを許容していると考えられた。
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[Journal Article] Involvement of two genetic lineages of Sarcoptes scabiei mites in a local mange epizootic of wild mammals in Japan.2015
Author(s)
Makouloutou, P., Suzuki, K., Yokoyama, M., Takeuchi, M., Yanagida, T., and Sato, H.
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Journal Title
Journal of Wildlife Diseases
Volume: 51(1)
Pages: 69-78
Peer Reviewed
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