2015 Fiscal Year Annual Research Report
伊勢湾流域圏を対象とした水系総合モデルの開発と感度解析
Project/Area Number |
25450499
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
大西 健夫 岐阜大学, 応用生物科学部, 准教授 (70391638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 亮 福井県立大学, 海洋生物資源学部, 講師 (00533316)
吉野 純 岐阜大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70377688)
平松 研 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (90271014)
吉山 浩平 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教 (90402750)
宗村 広昭 島根大学, 生物資源科学部, 准教授 (90403443)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 水系総合モデル / 陸域水文モデル / 海洋モデル / 温暖化シナリオ / 力学的ダウンスケーリング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、第1に、前年度までに構築した陸面モデルの精緻化を実施した。新たに考慮したのは、農業用の取水量、および、施肥量および大気からの窒素供給量である。これらを考慮して河川流出量および河川における窒素濃度の再現を試みた。実測データを用いたキャリブレーションの結果、モデルの構造上考慮されていない領域における脱窒を考慮することの必要性が示唆された。第2に、力学的ダウンスケーリングによる温暖化シナリオA1B2090年代のもとでの伊勢湾流域圏における気象データを構築した。空間解像度は2km、時間解像度は1日である。その結果、平野部、高山地域において温暖化の影響が顕著に表れ、流出への影響という観点からは、梅雨時期における平野部における降水量の増加が著しいことが明らかになった。第3に、海洋モデルであるROMSと陸面モデルとを結合したシミュレーションを行い、陸面からの入力に対する海洋の応答を検討した。その結果、降雨時の短時間における淡水の流入と栄養塩の流入が、伊勢湾における物理的、生物的挙動に大きな影響を及ぼしうることが示唆された。第4に、温暖化シナリオのもとでの気象データを入力データとして、陸面モデルと海洋モデルとを結合させて数値シミュレーションを実施し、現在の気候条件下(2001~2010年)でのシミュレーション結果と比較検討を行った。その結果、温暖化のもとでの降水量の増加が、伊勢湾における物理的、生物的状態にも影響を及ぼしうることが示唆された。
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Research Products
(2 results)