2013 Fiscal Year Research-status Report
副腎皮質病態解析のためのtargeted steroidomics研究
Project/Area Number |
25460042
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
山下 幸和 東北薬科大学, 薬学部, 教授 (80382670)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 祥子 東北薬科大学, 薬学部, 助手 (00438566)
大野 賢一 東北薬科大学, 薬学部, 講師 (20347272)
加藤 創 東北薬科大学, 薬学部, 助教 (80584458)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | LC-ESI-MS法 / 副腎皮質ホルモン / 微量定量法 / プロトン親和性誘導体 / 臨床診断法 / targeted steroidomics |
Research Abstract |
18-オキソコルチゾールをLC-ESI-MS/MS法を用いて定量するための重水素標識した内標準物質の化学合成法を検討した。ビスメチレンジオキシ(BMD)基で側鎖を保護したコルチゾンを出発原料に、NaOD/MeODを用いて活性水素を重水素に置換し、ただちにMeOD/NaBD4でカルボニル基を還元した。ついで活性二酸化マンガンで3位水酸基を選択的に酸化してBMD-[2,2,4,9a,11a,12,12-D7]-コルチゾールとした。BMD-[2,2,4,9a,11a,12,12-D7]-コルチゾールをNOCl/ピリジンで処理し、重要中間体である11b-nitrite体とした。11-Nirite体を窒素気流下、Barton反応に付し18-oxime体としたのち、3工程で目的とする重水素標識した18-オキソコルチゾールを得た。質量スペクトルにより、標識された水素は9a11a、12aおよび12bの4箇所であった。一方、重要中間体である11b-nirite体を酸素気流下、Barton反応に付し18-nitro体としたのち、重水素標識した18-ヒドロキシコルチゾール-BMDを得た。合成した内標準物質を用いて、まず18-オキソコルチゾールのプロトン親和性誘導体化によるLC-ESI-MS/MS法の確立を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
重水素標識していないコルチゾール-BMDを原料に数度予備実験を行い、合成ルートをシミュレーションした。標識された重水素のうち、安定な9a、11a、12aおよび12bの4箇所が残存し、Barton反応以後の反応過程で、活性水素に置換した重水素は脱離していた。重水素標識体に含まれる非標識体の割合は0.5%以下であり、LC-ESI-MS法における内標準物質として使用可能であることが、検量線の作成により判明している。重水素標識した18-ヒドロキシコルチゾール-BMDのBMD基の脱保護については、現在検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
18-ヒドロキシコルチゾールの内標準物質の合成が完了次第、アルドステロンを含むこれら18位が酸化されたステロイド類ならびにこれらの代謝前駆体および代謝物を含めたプロファイリングを、プロトン親和性誘導体化法を駆使して構築する。構築された手法を、副腎皮質モルモン類のtargeted steroidomicsに展開し、臨床検体測定への応用、副腎疾患の臨床診断法(原発性アルドステロン症、アジソン病、先天性副腎疾患の早期診断など)への実用化を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費の支出額が予定より少なかったため。 次年度の使用計画に繰越、旅費などの支出に充当する。
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Research Products
(6 results)