2015 Fiscal Year Research-status Report
分岐型糖鎖における分枝構造の非対称性の解析とその構造基盤
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25460054
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
山口 芳樹 国立研究開発法人理化学研究所, 糖鎖構造生物学研究チーム, チームリーダー (90323451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 秀栄 国立研究開発法人理化学研究所, 杉田理論分子科学研究室, 研究員 (50390670)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 糖鎖 / レクチン / ダイナミクス / Calsepa / PHA-E / DCIR / ZG16p / PIM |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では分岐構造を有する糖鎖の立体構造・ダイナミクス・相互作用を明らかにして、その生理機能に果たす役割を調べることを目的とする。平成27年度は以下のことを明らかにした。 1. 分岐型糖鎖の動的高次構造と相互作用解析:分岐構造を有する糖鎖のタンパク質との相互作用を調べるために、分岐型糖鎖を化学合成および天然糖タンパク質からの切り出しにより調製して、CalsepaレクチンおよびPHA-Eレクチンとの相互作用様式を解析した。その結果、いずれの場合においても2本の糖鎖分岐の1本が糖鎖の根本側を向いたような構造をしていることが明らかになった。その折れ曲がった糖鎖構造は溶液NMR法においても確認することができた。 2. C型レクチン受容体による分岐型糖鎖の認識:ヒトDCIRレクチンは免疫システムで寄与していることが想定されているC型レクチン受容体であり、構造機能相関を明らかにするためにX線結晶構造解析を行った。その結果、ヒトDCIRレクチンはN型糖鎖の2本鎖構造のうちGlcNAcβ1-2Man部分を主なエピトープとして認識していることを明らかにした。 3. ジャッカリン様レクチンによるPIMの認識:ジャッカリン様レクチンZG16pはマンノースと結合することが知られていたが、結核菌の成分であるフォスファチジルイノシトールマンノシド(PIM1, PIM2)と結合することを明らかにした。PIM2は分岐構造を有しており、両分枝ともZG16pとの結合に関与することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
構造解析などほぼ計画通りに研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
3本鎖・4本鎖などの多分岐構造を有する糖鎖や、多糖の分岐構造に着目してその立体構造とダイナミクスおよび相互作用について研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
当初想定していた計画よりも効率的かつ経済的に進めることができたため、直接経費を節約することができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2本鎖分岐型糖鎖とマンノース結合型レクチンとの相互作用に関する研究を実施する。
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Research Products
(18 results)