2015 Fiscal Year Research-status Report
新規抗がんリードの創出を目指すデュアルコア型アセトゲニン類の構造活性相関研究
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25460159
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
小島 直人 京都薬科大学, 薬学部, 講師 (90420413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 正行 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (20239982)
岩崎 宏樹 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (70582592)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 抗がん剤 / 構造活性相関 / 有機合成化学 / 生物活性物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
診断技術の発達により,がんの早期発見が可能となり,転移が広がっていない早期のがんであれば外科的手術により根治できる確率が飛躍的に高まってきている.一方で,手術による治療が不可能な進行がんや末期がんに対しても有効と言える化学療法剤による治療は,近年盛んに研究されている分子標的薬開発研究により進展はしているものの,未だ画期的な新薬の登場には至っていないのが現状である.従って,新しい作用機序を有する抗がん剤の開発は,薬学研究者にとって極めて重要な研究課題である.研究代表者らは熱帯・亜熱帯産のバンレイシ科植物から単離されるアセトゲニン類と呼吸鎖阻害系農薬を組み合わせたハイブリッド型アセトゲニン類が強力な抗腫瘍活性を有することを既に見出している.更に高活性な誘導体の創出を目的に,アセトゲニン類を特徴付ける構造単位であるTHF環の両端にアルキル鎖を介して、先の構造活性相関研究で強い活性を有することが明らかになっているチオフェン環を連結させた対称デュアルコア型アセトゲニン誘導体の合成を計画した.その結果,前年度までに,二度の不斉アルキニル化反応によるフラグメントの連結を鍵反応とする直線的な経路による合成を達成した.しかしながら,その総収率は低かったため,より効率的な合成経路を検討し,以下の成果を得た. (1)THF環を持つアルデヒドに対して,チオフェン環結合させたアルキンフラグメントを不斉アルキニル化反応によって直接導入することに成功した. (2)3つのフラグメントを結合後,数工程を経て目的のデュアルコア型アセトゲニン誘導体に導き,収束的な合成経路を確立した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り,デュアルコア型アセトゲニン誘導体の収束的な合成経路の開発に成功したため.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度確立した収束的な合成経路により,生物活性試験に必要なサンプルを追加合成し,ヒトがん細胞に対する増殖抑制活性を評価する予定である.
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Causes of Carryover |
生物活性試験に必要なサンプルの合成を年度内に実施することが出来なかったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
合成に必要な試薬,溶媒,シリカゲルの購入に用いる予定である.
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