2015 Fiscal Year Research-status Report
飼育環境のストレスに反応し、不安様行動に関与するイオンチャネルの同定
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25460323
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Research Institution | Kurashiki University of Science and the Arts |
Principal Investigator |
岡田 誠剛 倉敷芸術科学大学, 生命科学部, 教授 (40334677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 博子 関西医科大学, 医学部, 教授 (10181736) [Withdrawn]
ROMERO GUSTAVO 浜松医科大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (30572820) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | K+ チャネル / TREK-1 / ストレス / 不安様行動 / うつ様行動 / c-fos / パッチクランプ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までに、我々がパッチクランプで見出したK+チャネル(TREK-1)活性化薬が抗不安作用を持つことを行動実験によって明らかにした。そこで、平成27年度は本化合物がうつ様行動に与える影響、並びに、脳内の作用部位について検討した。その結果、本化合物は、強制水泳テスト、及び、尾懸垂テストにおいて有意な抗うつ作用を示した。また、社会的敗北テストでは抗うつ傾向を示した。 次に、本化合物が脳のどの部位に作用して、抗うつ作用を示したかを明らかにするため、1)無処置マウス、2)尾懸垂試験のストレスを負荷したマウス、3)ストレス負荷30分前に本化合物を投与したマウスの3群について、神経活動のマーカーであるc-fosの免疫染色によって検討した。うつ様行動に関連する、帯状皮質、梨状葉皮質、歯状回、外側手綱核、扁桃体基底外側核、扁桃体中心核では、尾懸垂試験によって、c-fos陽性細胞数の変化は認められなかったが、外側中隔、視床室傍核、視床下部室傍核ではストレス負荷によって顕著なcfos陽性細胞数の増加が認められた。さらに、TREK-1 K+チャネル活性化薬投与は、ストレス負荷による外側中隔でのc-fos陽性細胞数の増加を有意に抑制した。したがって、本化合物はストレスによる外側中隔の活性化を抑制し抗うつ作用を示したことが示唆された。次にこの外側中隔の神経細胞への本化合物の作用を電気生理学的に解明する目的で、同部位の急性スライスを調製し、パッチクランプによって神経細胞のTREK様電流への作用を検討した。しかし、本化合物の同電流への作用は認められず、直接外側中隔のTREK電流に作用し活動を抑制したのではなく、間接的に働いたのではないかと考えられる。次年度はこの作用機序の検討をさらに進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予想外の結果を何度も確認するために時間を費やした。また、研究代表者の異動に伴い、予定していたエフォートが充てることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本化合物の抗不安、抗うつ作用の機序を電気生理学、免疫染色によって解明する。
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Causes of Carryover |
研究代表者の異動に伴い、セットアップに時間を要した。また国際学会に発表を予定していたが、授業と重なり参加できなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主に消耗品を予定している。
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