2014 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子ネットワークによる形質細胞分化の調節プロセスの解明
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25460352
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
武藤 哲彦 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80343292)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | Bach2 / B細胞 / クラススイッチ / 形質細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗原で活性化されたB細胞は抗体を分泌する形質細胞へ最終分化する。その際に一部の活性化B細胞はクラススイッチDNA組換え反応を実行し、抗体のアイソタイプを変換する。この細胞運命決定は確率的であり、遺伝子発現の変化を伴う。しかし、ヘテロな細胞集団をひとまとめにしてサンプルとする従来型の遺伝子発現の解析方法では、個々の細胞で確率的に起きる遺伝子発現の変化を捉えられないため、細胞運命決定の全容を理解することは出来ていない。そこで、単一細胞PCR法を用いて遺伝子発現を解析し、活性化B細胞の分化過程を制御する遺伝子ネットワークの変化を捉え、形質細胞分化への最終分化での細胞運命決定のプロセスを解明することを本研究課題の最終目的とする。本年度は、B細胞の活性化過程でのBach2遺伝子発現の推移と細胞運命決定との関係を単一細胞レベルで検討した。B細胞活性化の過程において、細胞分裂の回数を重ねるに伴って、分化した細胞の頻度は上昇することが知られている。このときBach2の遺伝子発現は細胞分裂回数と相関して変化することを突き止めた。さらに、Bach2の標的遺伝子の発現および細胞運命は、Bach2の遺伝子発現量に有意に相関関係があることを単一細胞レベルで同定できた。また、他に形質細胞分化を調節する幾つかの転写因子の発現変化とBach2の遺伝子発現および、細胞の運命決定との関係を解析した。その結果、活性化後の遺伝子発現変化は全細胞に均一に生じているのではなく、Bach2を筆頭に検討した転写因子の発現でいくつかの亜集団があることがわかった。この結果は、細胞集団をひとまとめにしてサンプルとするPCR方法ではわからなかったのである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
単一細胞PCRはまだ実施できていないが、それ以上に、上記の予備実験の段階で予想以上の興味深い結果を得ている。すなわち、B細胞を培養系で活性化した場合に、細胞内の遺伝子発現を外から単一細胞レベルでモニターする方法で、亜集団を同定できており、今後単一細胞PCRを実施すれば、さらに高い解像度でB細胞の分化過程を捉えることが出来ると予想される。
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Strategy for Future Research Activity |
B細胞の培養系での活性化課程を経時的に追跡し、さらに、細胞分裂回数と幾つかの転写因子の発現をモニターすることで、亜集団に分けることが出来た。今後は、これらの結果を踏まえ、最適な分化段階を決定し、単一細胞PCR法を用いることで、40以上の遺伝子発現を同時に検討する。そしてこのような多くの情報量からB細胞が細胞運命を決定する過程で起きる変化を遺伝子発現を指標として評価することに挑戦する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] The transcription repressors Bach2 and Bach1 promote B cell development by repressing the myeloid program2014
Author(s)
Itoh-Nakadai A, Hikota R, Muto A, Kometani K, Watanabe-Matsui M, Sato Y, Kobayashi M, Nakamura A, Miura Y, Yano Y, Tashiro S, Sun J, Ikawa T, Ochiai K, Kurosaki T, Igarashi K.
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Journal Title
Nat Immunol.
Volume: 15
Pages: 1171-1180
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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