2013 Fiscal Year Research-status Report
代謝カスケード調節遺伝子KLF14の転写制御機構・生理機能の解明
Project/Area Number |
25460409
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | National Research Institute for Child Health and Development |
Principal Investigator |
中林 一彦 独立行政法人国立成育医療研究センター, 研究所, 室長 (10415557)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | genomic imprinting / Klf14 |
Research Abstract |
1. Klf14の発現プロファイル: 胎仔期・新生仔期・成体期におけるKlf14の発現プロファイルを定量RT-PCR法により取得した。Klf14は胎仔期では複数の臓器で高いレベルで発現していること、成体期の白色脂肪組織では胎児期に匹敵する高レベルで発現していることを明らかにした。 2. Klf14ノックアウトマウス由来白色脂肪組織の発現アレイ解析: 米国Knockout Mouse Projectより入手したKlf14ノックアウト(KO)マウス系統のKOアレルではKlf14のコーディングエクソンがLacZに置換されており、LacZはKlf14内在性プロモーター依存的に発現する。ベータガラクトシダーゼアッセイによる胎仔でのKlf14発現解析により、Klf14は皮下組織で強く発現していることを明らかにした。 Klf14-KOマウスおよび野生型コントロール(各3個体)由来の白色脂肪組織からtotal RNAを抽出し、発現マイクロアレイデータを取得した。発現変動遺伝子群のGene Ontology解析およびGSEA解析から、Klf14-KOマウス由来白色脂肪で発現が低下している遺伝子群に炎症・免疫関連遺伝子が高頻度に含まれることを明らかにした。 3. Mest-DMRノックアウトマウス作出: Klf14のインプリント発現はMest-DMRにおけるDNAメチル化により制御されていると予想されるが、直接的な証明が待たれる。また、そのようなlong-range制御を担う分子機構については一切不明である。そこで、Mest-DMR KOマウス作出実験を開始した。当初計画のES細胞でのジーンターゲティングからCrispr-Cas9システムによる受精卵ゲノム改変に方法を変更し、得られた58個体をスクリーニングし、Mest-DMR欠失候補を2個体同定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」欄で述べたように、「1. Klf14の発現プロファイル」と、「2. Klf14ノックアウトマウス由来白色脂肪組織の発現アレイ解析」については、平成25年度中に当初計画通りの成果を得た。3. Mest-DMRノックアウトマウス作出については、当初計画で採用する予定だったES細胞でのジーンターゲティングから、より短期かつ安価にノックアウトマウス個体を作出できる可能性のあるCrispr-Cas9システムによる受精卵ゲノム改変に方法を変更した。取得したMest-DMR欠失個体から欠失アレルが次世代に伝達される場合は、当初計画よりも大幅に短い期間でMest-DMRノックアウトマウス作出を完了したことになる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通りに研究を進める。Mest-DMRノックアウトマウスの樹立が確認できた段階でクロマチン高次構造解析をより重点的に推進する。別研究課題において、本研究の当初計画には含まれていなかった解析手技(ChIP-seq, HiC-seq, 4C-seqなど)を確立しており、それらも本研究課題での目的達成に有用である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
Mest-DMR KOマウス作出の方法を当初計画のES細胞でのジーンターゲティングからCrispr-Cas9システムによる受精卵ゲノム改変に方法を変更することで、消耗品費が節約できた。 クロマチン高次構造解析の手法として次世代シーケンシング技術に基く方法 (ChIP-seqなど)を行うことを検討しており、その消耗品費に充てる。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Genome-wide parent-of-origin DNA methylation analysis reveals the intricacies of human imprinting and suggests a germline methylation-independent mechanism of establishment.2014
Author(s)
Court F, Tayama C, Romanelli V, Martin-Trujillo A, Iglesias-Platas I, Okamura K, Sugahara N, Simón C, Moore H, Harness JV, Keirstead H, Sanchez-Mut JV, Kaneki E, Lapunzina P, Soejima H, Wake N, Esteller M, Ogata T, Hata K, Nakabayashi K, Monk D.
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Journal Title
Genome Res.
Volume: 24
Pages: 554-569
DOI
Peer Reviewed
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