2013 Fiscal Year Research-status Report
甲状腺癌の上皮間葉移行を司るRunx2:mTOR経路と低酸素を介した発現制御機構
Project/Area Number |
25460415
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
近藤 哲夫 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (30334858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 匡男 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (10345704)
加藤 良平 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (30152755)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 甲状腺 / Runx2 / 低酸素 / 上皮間葉移行 / mTOR |
Research Abstract |
Runx ファミリー(Runx1, Runx2, Runx3)は組織発生、細胞分化に関与する転写因子群で、我々はこれまでに骨芽細胞・軟骨芽細胞の分化を調節するRUNX2 遺伝子が甲状腺癌においても高発現していることを見出し、さらにRunx2 発現が血管増殖因子、マトリックスメタロプロテアーゼ、上皮間葉移行調節因子を正に制御していることを明らかにした。本研究計画では我々の基礎的成果をさらに発展させ、甲状腺癌の新規治療法に応用させるトランスレーショナルリサーチとして、Runx2 の発現制御メカニズム、Runx2の新規標的遺伝子の同定、甲状腺癌細胞の浸潤と上皮間葉移行に及ぼすRunx2 の作用を分子生物学的に解明することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
低酸素によるRunx2の発現変化が低酸素刺激条件と培養細胞株種の違いにより不安定。
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Strategy for Future Research Activity |
PI3K/AKT/mTOR経路のシグナル阻害によってRunx2の発現が有効に抑制されるか確認する。mTOR選択的阻害にラパマイシン、その誘導体であるエベロリムスを使用する。mTORを含む複合体にはmTORC1とmTORC2があり作用が異なるがラパマイシンは両者を、エベロリスムはmTORC1を選択的に阻害する。上流のPI3Kの阻害にstemolecule GDC-0941、AKT阻害にperifosineの使用を予定している。薬剤によるmTORの阻害の確認にはmTORの下流であるp70S6k、4EBP1のリン酸化状態をウエスタンブロットによって行う。Runx2とその標的と予測される遺伝子群(SPP1,BGLAP, VEGFA, TWIST1等)の発現変化はRT-PCR、定量PCR、ウエスタンブロットによって調べる。
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Research Products
(9 results)