2015 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺癌の上皮間葉移行を司るRunx2:mTOR経路と低酸素を介した発現制御機構
Project/Area Number |
25460415
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
近藤 哲夫 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (30334858)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中澤 匡男 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (10345704)
加藤 良平 山梨大学, 総合研究部, 教授 (30152755)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 人体病理学 / 内分泌 / 甲状腺癌 / Runx2 |
Outline of Annual Research Achievements |
Runx ファミリーはRUNX1 (AML1/CBFA2), RUNX2 (AML2), RUNX3 (AML3)の3つのアイソフォーム から構成される転写因子群である。Runx 分子はコア結合因子(CBFβ)とヘテロ二量体を形成して転写を調節し、胎児発生過程における細胞分化に関わる重要な調節を担っている。Runt ドメインにおいて90%以上の高い相同性を有しているが、各アイソフォームの発現は組織特異性があり、機能的役割も大きく異なっている。RUNX1 は赤芽球、顆粒球、巨核球、リンパ球を含む造血系分化に関わり、その遺伝子異常は急性骨髄性白血病の原因となっている。RUNX2 は骨芽細胞・軟骨細胞の分化を誘導し、その異常は鎖骨・頭蓋骨の先天的形成異常をもたらす。RUNX3 は胃上皮の増生や神経発生に関わり、がん抑制遺伝子として胃癌ではDNA過剰メチル化による不活化がおきている。我々はこれまでに骨芽細胞・軟骨芽細胞の分化を調節するRUNX2 遺伝子が甲状腺癌においても高発現していることを見出し、さらにRunx2 発現が血管増殖因子、マトリックスメタロプロテアーゼ、上皮間葉移行調節因子を正に制御していることを明らかにした。本研究計画では我々の基礎的成果をさらに発展させ、甲状腺癌の新規治療法に応用させるトランスレーショナルリサーチとして、Runx2 の発現制御メカニズム、Runx2の新規標的遺伝子の同定、甲状腺癌細胞の浸潤と上皮間葉移行に及ぼすRunx2 の作用を分子生物学的に解明することを目指す。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] High prevalence of the MYD88 mutation in testicular lymphoma: Immunohistochemical and genetic analyses.2015
Author(s)
Oishi N, Kondo T, Nakazawa T, Mochizuki K, Tanioka F, Oyama T, Yamamoto T, Iizuka J, Tanabe K, Shibata N, Kirito K, Katoh R
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Journal Title
Virchows Arch
Volume: 467
Pages: 427-436
Peer Reviewed
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