2014 Fiscal Year Research-status Report
チロシンキナーゼ型受容体の超高精度蛍光イメージングによる肝細胞がん組織診断法開発
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25460450
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原 康之 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (50636008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川岸 直樹 東北大学, 大学病院, 准教授 (00333807)
梅田 みか(渡辺みか) 東北大学, 大学病院, 准教授 (20292344)
関口 悟 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (20312580) [Withdrawn]
権田 幸祐 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80375435)
大内 憲明 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90203710)
武田 郁央 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (90420033)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肝細胞がん / 分子標的薬 / 蛍光ナノ粒子 / イメージング / 定量性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では蛍光ナノ粒子を用いた独自の免疫組織化学法を肝細胞がんの病理組織診断に応用し、ソラフェニブ標的蛋白質群の発現レベルを高精度かつ定量的に診断し、肝細胞がんの臨床データと比較することで、予後やソラフェニブ奏効性を高確度で診断する方法の開発を目的としている。先行研究において、血中c-kit濃度や血中hepatocyto growth factor (HGF)濃度とソラフェニブ奏功性との相関性を示唆する報告(Clinical Cancer Research, Vol. 18, 2012)があるが、有意差は認められていない。また、肝細胞がんにおけるFGF3/4(染色体11q13)の遺伝子増幅とソラフェニブ奏功性との相関を示唆する報告(HEPATOLOGY, Vol. 57, 2013)もあるが、染色体11q13の遺伝子増幅の頻度は肝細胞がんの約2%に過ぎない。ソラフェニブの標的分子は多岐に渡るため(Cancer Research, Vol. 64, 2004)、標的分子1つ1つの発現量や活性を測定し標的分子群全体の効果予測をすることはこれまで困難であった。 ソラフェニブ標的分子群全体の発現量を評価するには、ソラフェニブ結合プローブを使ったアプローチが有効であると考え、25年度から26年度にかけて、ソラフェニブ結合蛍光ナノ粒子の開発を試みた。このナノ粒子プローブの結合活性を評価するために、「ソラフェニブ結合蛍光ナノ粒子」と「ソラフェニブ」の間で、培養細胞増殖阻害活性の比較検討を行っている。また、担がんマウスの腫瘍を用いて凍結標本やホルマリン固定・パラフィン包埋標本を作製し、ソラフェニブ結合ナノ粒子の結合能を評価している。 以上の検討の結果を見据えながら、27年度は、ホルマリン固定・パラフィン包埋された臨床検体を使用して、ソラフェニブの効果予測判定が可能であるかを検討予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ソラフェニブ標的タンパク質の発現レベルを評価するための試薬が完成し、培養細胞を用いた増殖阻害活性について検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
ソラフェニブ結合蛍光ナノ粒子を用いた免疫染色で病理検体のパラフィン切片を評価した時の効果予測判定の可能性についての検討。
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Causes of Carryover |
本年度は培養細胞を使用した実験が主体であり、備品の購入費用が当初の予定より抑えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究備品購入、学会発表の経費などに使用予定である。
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