2015 Fiscal Year Annual Research Report
チロシンキナーゼ型受容体の超高精度蛍光イメージングによる肝細胞がん組織診断法開発
Project/Area Number |
25460450
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原 康之 東北大学, 大学病院, 助教 (50636008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川岸 直樹 東北大学, 大学病院, 准教授 (00333807)
梅田 みか (渡辺みか) 東北大学, 大学病院, 准教授 (20292344)
関口 悟 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (20312580) [Withdrawn]
権田 幸祐 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80375435)
大内 憲明 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90203710)
武田 郁央 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (90420033)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肝細胞がん / 分子標的薬 / 蛍光ナノ粒子 / イメージング / 定量性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では蛍光ナノ粒子を用いて、肝細胞がんのソラフェニブ標的蛋白質群の発現レベルを高精度かつ定量的に診断し、予後や奏効性を高確度で診断する方法の開発を目的としている。ソラフェニブ活性を保持するソラフェニブ結合蛍光ナノ粒子の作製を試み、ポリエチレングリコール (PEG) 修飾を施した蛍光ナノ粒子をリンカーを介してソラフェニブと結合させることに成功した。その後以下の実験を行った。1)ソラフェニブとリンカー結合ソラフェニブをVEGFRを発現する培養細胞(MS1-VEGF)と保温し、増殖阻害活性を調べる。2)VEGFRを発現したホルマリン固定細胞で、ソラフェニブ結合蛍光ナノ粒子の染色状態を確認。 3)マウスに移植して作製した腫瘍から未固定凍結標本、固定標本を作製して、ソラフェニブ結合蛍光ナノ粒子で染色。 結果;1)MS1-VEGF細胞とVEGFR非発現のMS1細胞(コントロール)のいずれの細胞においても、ソラフェニブ単剤に比較して、リンカー結合したソラフェニブの細胞活性阻害能が若干低下していたが、両者に大きな差異は認められなかった。ソラフェニブ濃度がある一定値より低くなると十分な細胞活性阻害は得られなかった。2)次にMS1とMS1-VEGF細胞にリンカー結合ソラフェニブを添加し、プローブによる細胞への結合状態の評価を行う撮影条件を検討している。3)マウスにMS1やMS1-VEFG細胞を移植し、増殖した腫瘍を凍結保存した。2)の条件設定後に評価を行う方針である。 ソラフェニブの実質的な効果予測を判定するための試薬を作成した後に施行した細胞培養増殖活性阻害実験では、蛍光ナノ粒子を結合しても細胞増殖阻害能が大きく損なわれていないことが示された。次にホルマリン固定パラフィン包埋した細胞においても、ソラフェニブ結合能の評価が可能であるかを検討していたが、実験条件の設定に苦労し現在検討中である。
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