2015 Fiscal Year Research-status Report
運動神経細胞におけるエンテロウイルス感染複製機構のイメージング解析
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25460583
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
大岡 静衣 公益財団法人東京都医学総合研究所, ゲノム医科学研究分野, 主席研究員 (80313097)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | EV71 / late endosome / autophagy / 脱殻 / 感染初期過程 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、EV71は感染30分後にはlate endosomeからautophagy経路へ入るものがあることを示していた。そこで、免疫電子顕微鏡観察により検証したところ、EV71感染20、30分後にはlate endosome内に存在する多数の内膜の外側にEV71抗原が認められ、EV71が内膜含有late endosomeに当該時間帯に存在することが確認できた。感染30分後にはautophagosome隔離膜内部にもEV71様粒子が確認できるので、感染30分後には、EV71粒子がlate endosomeとautophagosomeに存在していると考えられる。late endosomeからautophagy経路への移行を阻害する3-MAが存在すると、EV71は感染40分後までlate endosomeに留まることがわかっていた。そこで、3-MA存在下光感受性EV71を感染させ、感染40分後に光を照射し脱殻していないウイルスを失活させたところ、3-MAが存在していても感染40分後までに脱殻が終了していた。この結果から、EV71はlate endosomeで脱殻できることが示唆された。また、in situ 免疫染色により、3-MA存在下、感染30分後にlate endosomeにいるEV71が脱殻していたことから、感染20分から30分の間にlate endosomeでEV71 は脱殻することが示唆された。3-MA存在下、脱殻したRNAの多くは細胞質ではなくlate endosome内に留まっていたことから、late endosome内膜で脱殻したものが多くあると考えられる。内膜で脱殻したものは後にautophagy経路で分解されabortive infectionになると考えられ、細胞質に放出されたわずかなEV71 RNAが複製に至ると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
事情により1年間の期間延長をさせていただいたために少し遅れたが、最終年度に成果報告等まで結び付けられる見込みであり、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
通常培養細胞での感染初期過程がある程度解明できたので、結果を詰めつつ、神経細胞での感染初期過程解析につなげる。
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Causes of Carryover |
半年近く病気休暇・休職をし、研究を実施できない期間があったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度4月から復職したので、成果報告に向けた研究のために使用していく。
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Research Products
(1 results)