2015 Fiscal Year Annual Research Report
気道上皮細胞の修復過程を標的とした新規薬物療法の開発
Project/Area Number |
25460660
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
山下 直美 武蔵野大学, 薬学研究所, 教授 (20239974)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アレルギー・ぜんそく / 細胞・組織 / 臨床 / 薬理学 / 生体分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト気道上皮細胞の活性化・障害にかかわる自然免疫系の経路について解析を進めた。TLR4の細胞内経路については NF-kBとIRF-3を介する経路が存在する。現在まで、NF-kB 経路の重要性については、多数の報告がされてきたが、IRF-3を介する経路の関与については不明の点が多い。気道上皮細胞に対する刺激としてLPSを用いて、IRF-3を介する刺激伝達経路の関与について解析した。IRF3KOマウスでは野生型と比してエラスターゼ+LPS投与後、気腫病変が抑制されることを見出した。IRF3KOマウスでは、IP-10,KC,MIP-1α,MCP-1,TNF-αと気道炎症にかかわるサイトカイン遺伝子発現量の低下を認めた。MCP-1やMIP-1α、TNF-αは、従来主にMyD88~NF-κBにより調節されている因子として知られていたが、IRF3KO群において発現低下を認めた。一方でIL-17の発現上昇を認めた。機能比較ではIRF3KOマウスで好中球貪食能の低下を認め、オートファジー関連蛋白であるLC3の発現も野生型より低下していた。IRF-3を介する制御は好中球の機能発現において重要であり気道炎症の治療のターゲットとなることが示唆された。 気道障害時に産生されるオステオポンチンがエラスターゼ誘導COPDモデルで有用なターゲットとなることを明らかにし報告した。特に疾患の性差発現への関与も明らかにした(Biochem Biophys Res Commun 461:642-647,2015)。 ヒト呼気濃縮液について検討を進めたが、SLURP検出の感度に問題があり、検出は不可能であり、今後測定感度を挙げる事が課題となった。
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