2015 Fiscal Year Research-status Report
タグ付抗体産生マウスを利用した次世代型高感度抗体チップの開発と応用
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25460689
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
古元 礼子 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70311818)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 蛋白チップ / 抗体開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.タグ付抗体大量作製: 最近開発された培養細胞発現系の大量発現システムExp293F細胞を用い、十分な量の抗体が得られ、IgG重鎖Cys-タグ付抗体の大量作製に成功した。しかし、抗体の重鎖にタグを付加すると、抗体同士が高分子体を形成することが明らかとなり、タグを介して配向性を保って基板に固定することが困難という問題が発生した。よって、タグの位置を再検討することとした。
2.IgG軽鎖へのタグの付加 マレイミド基板へ固定するタンパク質は小分子の方が適していることから、抗体フラグメントを作製し、フラグメント化した抗体もマレイミド基板に固定されるか検討したところ、IgG1由来のFabとF(ab’)2をそれぞれマレイミド基板に固定し、免疫蛍光抗体法で観察を行ったところ、FabとF(ab’)2はIgG1完全分子と同様にマレイミド基板に固定された。軽鎖にタグを付加したIgG1を大量作製した。今後、フラグメントを調製し、軽鎖タグを介して基板に結合させることを検討している。また、あらゆる抗原に対する多種類のタグ付き抗体を作製するための、ゲノム編集によるハイブリドーマ抗体遺伝子へタグの付加の検討を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的を達成するための課題を検証しており、当初の予定どおりでない部分もあるが、それに対処するための新たな検討課題を見つけ、研究を遂行している。具体的には、IgG重鎖では問題が生じたため、IgG軽鎖にタグを付加することとし、タグを構成するアミノ酸の配列にも工夫をし、条件設定を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
基板に固定するための最適条件の検討とゲノム編集によるハイブリドーマ抗体遺伝子へタグの付加の検討を継続する。
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Causes of Carryover |
今年度に行った実験の一部は手持ちの試薬類で対応できた。また、実験を進める上で、ゲノム編集は新しい分野で技術が日々進歩するため、頻繁に計画の見直しが必要となり、これに伴う試薬類の購入について未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ゲノム編集によるハイブリドーマ抗体遺伝子へのタグの付加を検討するための試薬の購入に使用する。
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