2013 Fiscal Year Research-status Report
ゲノムインフォマティクスを応用した難治性慢性痛における中枢機能の客観的評価
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25460720
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西江 宏行 岡山大学, 大学病院, 助教 (20379788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永坂 岳司 岡山大学, 大学病院, 助教 (30452569)
佐藤 健治 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70359884)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 難治性慢性痛 / 集学的診療 / 遺伝子検査 |
Research Abstract |
倫理委員会の許可後、当院で集学的に加療を行っている症例で、許可を得た症例に対して、採血を行っている。初診時と六か月後に採血を行った。 集学的診療は予定通り進行しており、カンファレンスを行いながら難しい慢性痛を対象に診療している。紹介も比較的多くあり、慢性痛で苦しむ患者が多いことがうかがわれる。予定通り進行しているがいくつか改善すべき点が見えてきている。 一つ目は、難しい慢性痛を対象としているために、六か月後に改善がみられない症例がかなりある点である。当初の予定では、難治性慢性痛に対して、初診時(痛みの強いとき)と六か月後(改善後)の調査をする予定であった。しかし、改善しない症例がかなりあることがわかった。救える症例が多くあり、診療としては集学的診療は有用だが、研究面では工夫が必要である。そのため、研究の対象を難治性慢性痛のみでなく、我々の外来を受診した一般的な慢性痛にも対象を広げようと考えている。そして、期間も六ヶ月だけでなく、三ヶ月にするなど研究として幅を持たせることも考えている。集学的診療の患者数を増やすことも考えたが、メンバーの同意が得られず断念している。患者数を増やすと診療の質が落ちるためである。 最近の報告や実際の診療をみると、器質的な異常がなく、「機能的な異常」が痛みを生み出している症例が多くあることが報告されている。我々の検討はこの異常を見つけ出し、治療方針の決定に役立つことに確信を持ちつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
集学的な診療が順調に進んでいる点は最初のハードルをクリアしている点である。問題点もわかってきたので、多少アレンジをして、検体採取にご協力をいただき、今年度中にめどをつける。
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Strategy for Future Research Activity |
診療に関しては、現在のままで進める。これは、当メンバーの一致した意見である。 研究に関して、採血の時期を初診時と六ヶ月のみでなく、三か月後を考慮に入れる。 対象患者を増やすことを考えている。少なくとも一般的な慢性痛は対象に入れることを考えている。その他、場合により術後痛などの急性痛患者も加えたほうが良いかもしれないと考えている。そして近年の急速な遺伝子検査の進化にともない、やみくもに検査するのではなく、何を検査するかをあらかじめ十分に考察しないといけない。そのための文献的調査も必死で行っている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
データ入力等に関して、当院クリニカルクラーク等の協力が得られ、支出せずに済ませることができた。 逆に遺伝子検査は従来の方法のコストは少なくなってきているが、項目が増え続けており、膨大なコストがかかることが予想されている。そのための物品費等で使用する。
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