2015 Fiscal Year Annual Research Report
患者状態適応型パスを用いたCOPDの診療・連携パスの質評価に関する研究
Project/Area Number |
25460857
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
茂木 孝 日本医科大学, 医学部, 助教 (30386205)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | クリニカルパス / COPD / 医療の質 / 在宅酸素 / 吸入指導 / 訪問看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
PCAPS(Patient Condition Adaptive Pathway System;患者状態適応型パス)により作成したCOPD診療・連携パスを基に,非専門医でも過不足なく診療できるという診療の均てん化を図り,さらに個々の診療状況をベンチマーキングすることにより診療,連携の質を評価するシステムを構築することが本研究の目的である.27年度は前年に続いて,各種パスの作成と検証調査を行った. ①在宅酸素療法の導入・維持管理パス:エクセル・ベースにて作成し,認定看護師・医師による検証調査を実施.酸素流量の評価について,夜間評価が7割程度しか実施されていないことが判明した. ②吸入指導のパス化:吸入薬剤ごとに手順を整理し,介入ポイントを明文化した.具体的には吸入治療による副作用の有無,臨床効果の有無,重篤な副作用の有無について患者状態を把握するアルゴリズムを作成し,それぞれのイベントと対応する介入内容を整理した.これをさらにエクセル上に展開し,特定薬剤を選択することで必要な介入項目が一覧できるようにソフトウエアを準備した.これを用いての実際の薬剤師による試行を予定.最終的にはタブレット端末を用いて実装することを目指す.本アルゴリズムの内容は抗癌剤治療にも応用できる可能性があった. ③訪問看護によるCOPD患者の管理パス:増悪後に在宅看護の介入が必要となった患者に対する診療パスであり,主に増悪再燃の有無の把握と対処,日常の患者教育から構成される.それぞれ患者状態に応じた介入方法を準備し,訪問看護師の経験年数によらない均一な評価・介入方法を構築した. ④COPD増悪入院パスの検証:対象医療施設は1か所のみとなったが,過去の入院記録を基にパスの精度評価を行い,治療過程のほぼ1OO%を追跡できることが確認された.
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