2015 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌における直鎖状ポリユビキチン鎖の役割の解明
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25460981
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
建石 良介 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (50444089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 康雄 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40422290)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 肝臓 / 肝細胞癌 / Sharpin / 癌関連遺伝子 / 浸潤能 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、直鎖状ポリユビキチン鎖がユビキチンリガーゼHOIL-1L-HOIP-SHARPIN複合体により細胞内で生成されてNF-κBシグナルの活性化に関与していることが明らかとなり注目を浴びているが、その悪性腫瘍における恒常的NF-κB活性化への関与は明らかでない。 さらにSHARPINは肝癌で高発現していることがすでに報告されており、肝癌の悪性化に関与している可能性がある。本研究では、肝細胞癌における直鎖状ポリユビキチン鎖の役割及びSHARPIN高発現の意義を検討する。前年度、高浸潤能を持つSHARPINの安定発現株を用いてマイクロアレイ遺伝子発現解析を行い、表現型の責任分子の一つとしてVERSICANという細胞外マトリックスプロテオグリカンを同定した。実際にSHARPIN高発現株でVERSICANをノックダウンしたところ浸潤能が低下することを確認した。VERSICAN発現亢進の機序を検討したところ、VERSICANの転写はSHARPINの発現により上昇したが、NF-κB活性化では転写は変化しなかった。SHARPINのカルボキシ末端側にはNF-κB活性化に重要な領域[ユビキチン様(Ubiquitin-Like)ドメイン及び、NZF(Npl4 Zinc Finger)ドメイン]が存在し浸潤能増強及びVERSICAN転写にも必要な領域であったが、SHARPIN単独ではNF-κBの活性化は認められず、SHARPINによる浸潤能の亢進は一部NF-κB非依存的な機序が考えられた。
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Research Products
(2 results)