2014 Fiscal Year Research-status Report
心不全をターゲットとしたバイオマーカーへのマイクロRNAの応用
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25461075
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
井澤 英夫 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (80402569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 博厚 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (20644876)
尾崎 行男 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (50298569)
藤原 稚也 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (60644870)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 循環器 / 心不全 / マイクロRNA / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに私達は血行動態が安定していて心不全症状が軽度 (NYHA II) の外来通院中拡張型心筋症患者6例と健常ボランティア3例の末梢静脈血液をマイクロアレイを用いた網羅的プロファイリングを行い、心不全群の血液で有意 (p< 0.05) に異常発現している44個のマイクロRNA (mi RNA) を同定した。この44個の中で特に有意な (p< 0.01) 異常発現を認めた9個のmiRNAについて、さらに解析対象症例を増やして定量評価を本年度は行った。 対象は拡張型心筋症にて外来通院中の心不全患者20例 (57.4歳)と健常ボランティア(53歳)で、全対象者から文書によるインフォームドコンセントを得た後、末梢静脈血を採血するとともに、心臓超音波検査を行った。また、心不全患者群については、過去に行った心臓カテーテル検査等の臨床データを診療記録から取得してデータベースを構築した。 心不全群と健常ボランティア群との間に年齢や性別に差はなかった。心不全群では健常ボランティア群と比較して、心エコーから計測した左室ポンプ機能は有意に低下し (EF=37.0%)、左室拡張機能も低下 (E/e'=13.2)していた。また、血液中ノルアドレナリン濃度が有意に上昇 (292.8 ng/ml)していたが、心筋線維化の血液バイオマーカーであるICTP, MMP-3, アルドステロンの血液中濃度は健常ボランティア群との間に差は認めなかった。マイクロアレイにて異常発現を認めた9個のmiRNAの中で解析可能であった8個のmiRNAに加え、病的心筋細胞での異常発現が従来から報告されている3個のmiRNA (miRNA-1, miRNA-134, miRNA-423)について、血液中の発現レベルを定量的RT-PCR法 (ΔΔCT法)により解析した。その結果、マイクロアレイで異常発現していた1個のmiRNAが定量的測定にても有意に異常発現していることを発見した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、心不全患者の血液中で異常発現しているマイクロRNAをゲノムワイドに探索して、その結果、同定できたマイクロRNAを多くの症例において定量的評価を行い、心不全の血液バイオマーカーとして有用なマイクロRNAの同定をすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回の対象は拡張型心筋症を基礎心疾患とした心不全症例で、かつ、外来通院中の比較的けいしょうな症例であったことから、今回同定したマイクロRNAが、心不全を引き起こす他の心臓病や重症心不全でも同様な結果が得られるのかどうか、検討する予定である。
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Causes of Carryover |
年度初めに予定していた登録症例よりも登録症例が少なかったために、個別の臨床データ等保存用のファイル購入数が予定よりも少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度に登録症例を更に増やしていく際に、症例個々のデータ保存管理用としてファイルを購入する予定です。(クリアファイル5個 2494円)
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Multimarker approach to risk stratification for long-term mortality in patients on chronic hemodialysis2015
Author(s)
Ishii J, Takahashi H, Kitagawa F, Kuno A, Okuyama R, Kawai H, Muramatsu T, Naruse H, Motoyama S, Matsui S, Hasegawa M, Aoyama T, Kamoi D, Kasuga H, Izawa H, Ozaki Y, Yuzawa Y
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Journal Title
Circulation Journal
Volume: 79
Pages: 656-663
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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